腸活などが流行する中、発酵食品に注目が集まる最近。発酵食品はなんとなくヘルシーで身体に良さそうというイメージはありませんか?

 メリットも多い発酵食品も偏って摂ることにより、体にデメリットを与えることはご存知ですか? 今回は発酵食品のメリット・デメリット、そもそも発酵とは何か、発酵に関わる菌などを紹介していきます。
 疲労向け、美容向けなども食品ごとに紹介していくので、腸活を意識している方はぜひチェックしてみましょう!また腸活に合わせた食材を知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてくださいね!

「腸活中におすすめの食材は?」腸活のメリット・デメリットも合わせてチェック!

 

 

発酵とは

 発酵とは「微生物の働きで有機物が分解され、特定の物質を生成する現象」です。少し難しい言い方になりますが、身近な食品でいうとチーズやヨーグルトは乳酸菌という菌の力で発酵されています
 味噌や酒には米や大豆の加熱から「美味しさのもと」となるアミノ酸を作る麹菌が関わっています。発酵食品には様々な菌が関わっており、食品によって発酵と熟成を使い分けています。

▶発酵、腐敗、熟成の違い
 発酵食品のメリット・デメリットに入る前に、発酵とよく似た現象で、意味が異なる「腐敗」と「熟成」について知っておきましょう!

発酵

乳酸菌
麹菌など

ヒトに良い影響を与える物質を微生物が作る

腐敗

微生物など

ヒトに悪い影響を与える物質を微生物が作る

熟成

乳酸菌
麹菌など

発酵がさらに進んだ段階


▶発酵と腐敗の違い
 「発酵」と「腐敗」は似た印象を持たれますが、どちらも菌や微生物の力によって物質が変化することは共通です。
 違いは
ヒトにとって有益であれば「発酵」、ヒトにとって有害であれば「腐敗」という私たちが生活する中で、人間を中心にした文化的な観点から定められています。

▶発酵と熟成の違い
 「熟成」は味噌づくりで言うと米などに麹菌をつける時点では「発酵」「発酵」がさらに進んでいくと「熟成」という工程になります。

 

発酵に関わる菌とは

 発酵に関わる微生物は3種類あり、大きい順にカビ>酵母>細菌となります。それぞれの微生物、菌、食品を表で紹介します。

微生物 菌名 説明 食品
カビ 麹菌 米や大豆、麦などの加熱で生成される菌 味噌、酢、みりん、醤油、漬物、日本酒、焼酎、泡盛、甘酒
酵母 酵母 空気や土、植物や果物に存在する菌 パン、ワイン、キムチ、ピクルス、漬物
細菌 酢酸菌 アルコールを酸化させ、酢酸を生み出す菌 米酢、リンゴ酢、ワインビネガー
乳酸菌 ヒトや動物の体内に存在し、糖から乳酸を作り出す菌 ヨーグルト、チーズ、ワイン、マッコリ、キムチ
納豆菌 藁(わら)や枯れ葉に生息する枯葉菌の一種 納豆

 

▶カビ
 カビと聞くと身体に悪い影響を与えるように思うかもしれませんが、日本の発酵食品(味噌、醤油など)に多く使われるカビはもちろん無毒です。
 発酵食品ではカビは酵素を作り出します。作られた酵素はでんぷんを糖に変えて甘みを生成します。

▶酵母
 酵母は英語でイースト(yeast)と呼ばれており、パンを作る時に使われるイースト菌も酵母の一種です。植物の皮や種から作られた天然酵母は、酵母によって香りや食感が異なります。天然酵母パンは「小麦粉」「水」「塩」「酵母」とシンプルな食材で作っているため、腸への負担が少ないと言われています。

 パンは食材によって発酵やカロリーも異なります。腸活中、パン食派の方は、酵母を使ったパンのメリット、デメリットもチェックしてみてくださいね。

全粒粉パンの良さとは?管理栄養士がパンごとのメリット・デメリットを紹介!

 また、ピクルスも酵母が関与して作られています。この酵母は酸素なしで増殖することができ、塩分濃度の高い水に溶け、腐敗に関与する微生物を活性化を防ぐため、保存性の高い食品です。

 

▶細菌
 細菌は酢を作る「酢酸菌」、ヨーグルトなどをつくる「乳酸菌」、納豆をつくる「納豆菌」があります。乳酸菌は糖分から乳酸を生み出し、うまみと食品の保存に関与します。

 細菌はカビや酵母と比較して、増殖する速度が速いです。そのため、腸にも届きやすく、多くの商品が開発されています。細菌の中でも乳酸菌は約400種類あります。その中でも自分にあった乳酸菌を見つけるヒントをこの記事では紹介しています。

乳酸菌商品の正しい選び方「自分の腸にあった機能・効果の選び方」

 

発酵食品のデメリット

 メリットの多い発酵食品ですが、食べる前にデメリットも確認しておきましょう!


▼味噌や醤油などは塩分が多い(
むくみの原因)
 味噌づくりにおいて食塩は水分活性(微生物が使用できる水の量)を下げ、微生物の繁殖を抑えるためには欠かせません。
 食塩を多く使う分、
料理に使用したときは、塩分濃度が上がりやすくなります。そのため、むくみや高血圧の原因にもなりやすいことから、普段から摂り過ぎにならないように、注意が必要です。

「むくみの原因」塩分・運動不足を改善する10個の対策をご紹介!

 

▼糖分が多い(ヨーグルト)
 乳酸菌が関わるヨーグルトは糖が多く含まれています。加えて、脂質も多く含まれるため、摂り過ぎは1日に必要な摂取エネルギー量をオーバーする可能性があります。
 過度な摂取には注意しましょう。また、摂取目安は商品によって異なります。
1カップ75gが4個セットで売られている「DANONE(ダノン)」の場合、体調や他の食事と栄養バランスを考慮し、1日1~3個を目安をすすめており(※4)、過剰摂取が気になる方は商品ホームページで確認してみてくださいね。

「DANONE(ダノン)公式」はこちから

 

発酵食品のメリット・効果・おすすめの食品

 発酵食品は発酵のもととなる菌や微生物が異なるだけでそのメリットは異なっています。今回は菌に注目しながらおすすめの商品を紹介していきます!

▶疲労回復に甘酒(麹菌)
 麹菌は麹として味噌、醤油、日本酒、甘酒などの作成に関わり、食材の旨味や甘味を引き出しています。麹菌はビタミンやミネラルなどの栄養素をつくり、疲労回復に関与します。

 普段の生活で頭が疲れて眠くなることはありませんか?  脳はブドウ糖をエネルギー源としているため、脳の疲れには糖分補給が大切です。糖分を多く含む甘酒がおすすめです。

出典:森永製菓株式会社

 糖分が豊富な甘酒はあたためても、冷たいままでも飲むことができます。こってりした甘さ、すっきりした甘さ、しゅわっとした甘さなど好きな気分で甘酒を選んでみてくださいね。また、粉末タイプの甘酒は牛乳やヨーグルトに入れれば、こくが出て、おいしく食べることができます。

 女性の場合、生理前は疲れやすい時期になります。甘酒はそんな時に身体を温めつつ、栄養も豊富に摂れるので甘酒はおすすめの飲み物です。

生理前の不調を感じやすい方はこちらの記事をチェック

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▼ダイエット効果にピクルス(酵母)
 発酵食品にはエネルギー代謝に欠かせないビタミンB群が豊富に含まれています。また発酵食品には酵素も多く含まれているため、代謝が上がりやすく、体重減少の助けとなります。

 ピクルスは野菜自体にもビタミンB群が豊富です。また大根やレンコンのピクルスはカリウムが豊富なため、むくみ対策にも繋がります。

筆者が石川県に行ったときに買うお気に入りのピクルスです

・「金沢のピクルス」
 定番のピクルスから少し変わった季節のピクルスを瓶詰にして販売する「金沢のピクルス」さんは旬によって、味わえるピクルスも変わるため、腸活中の方へのプレゼントには喜ばれること間違いなしですよ!  店舗以外にもオンラインでの購入も可能です。
公式ホームページ:https://kanazawa-pickles.stores.jp/items/5ee03efc72b9116998467ae5
オンラインストア:https://kanazawa-pickles.stores.jp/

 

▼腸への負担が優しい納豆(納豆菌)
 発酵食品は酵母や細菌などによって原料の栄養素が分解されているため、消化吸収がしやすいです。そのため腸への負担を減らしながら栄養を吸収することができ、栄養をスムーズに体内に送ることができます。細菌は納豆には納豆菌に加え、乳酸菌を添加した納豆を販売しています。

感染症が流行している時期にもおすすめの納豆です

納豆はダイエット中にもおすすめの食べ物で、16時間断食でダイエットに成功した編集部Kは今でも納豆を毎日食べているようです!

 

▼免疫に関与するヨーグルト(乳酸菌)
 一部の発酵食品は免疫細胞の活性化をサポートすると言われています。(※2)体内の小腸壁(※)は免疫細胞の約70%が集まっていると言われています。乳酸菌や麹菌はその小腸壁を通る時に免疫細胞を活性化させるきっかけを作ります。

※小腸壁…小腸の壁。炭水化物、たんぱく質、脂質の消化を行う。

 また腸自体の健康自体が免疫力にも影響するため、腸内環境を整えるためにも発酵食品の摂取がおすすめです。(※3)乳酸菌には様々な菌株があるので、免疫に特化した商品かどうか確認してみてください。

 明治のR-1乳酸菌が含まれた商品は、感染症対策の研究もされており、人気の乳製品飲料です。

 乳酸菌を用いた感染症対策をより有効にするためには、まず免疫力についても理解する必要がありますよね。そもそも「免疫力とはなに?」と思った方はこちらをチェックしてくださいね。

これさえ読めばわかる「免疫力 とは?」の疑問を分かりやすく解説!

 

▼美容効果があるリンゴ酢(酢酸菌)
 納豆やヨーグルトなどの発酵食品はたんぱく質が豊富であり、つるんとした肌や髪のつやにも関与します。
 腸内環境が荒れると肌も荒れやすくなると言われているため、普段から発酵食品を摂取して腸内環境を整えておくことが大切です。

 また、リンゴ酢はビタミンCを豊富に含んでおり、肌のハリや透明感に多く関与します。

リンゴ酢とはちみつを合わせて果物を入れればあっという間にフルーツウォーターができます!

http://www3.mizkan.co.jp/sapari/product/group/index.html?id=01010&sid=01

 

▼保存性がある味噌(麹菌)
 味噌などの発酵食品は保存期間が長いため、保存に気を使うことがなく、毎日こまめに使い続けられる、簡単に摂ることができます。「発酵」と「腐敗」は同じような変化ですが、「発酵」は保存することでより旨味を増し、長持ちする菌や微生物を増やすことでより保存性や健康効果を高めることができます。

風味豊かな赤味噌系ベースのお味噌です

https://www.marukome.co.jp/product/detail/miso_001/

 

意外と知られていない世界の発酵食品

 日本では発酵食品としては味噌、醤油が有名ですが、世界でも生活に根ざした発酵食品が多くあります。今回はそんな世界の発酵食品を紹介します。(※5)

▶ザワークラウト(ドイツ)
 千切りしたキャベツを塩漬けにし、乳酸発酵させた食品です。ソーセージ等の肉料理に添えられることが多いです。
 食物繊維が豊富なキャベツと乳酸菌が摂ることができ、日本でも親しまれる発酵食品です。


▶メンマ(中国)
 たけのこを土の中で乳酸発酵させて作られています。食物繊維が豊富で、ラーメンに添えられていることが多い食品です。ラーメンに限らず、毎日の食卓で副菜として摂ることもおすすめです。

▶ナンプラー(タイ)
 小魚を塩漬けして発酵させた調味料の魚醤です。醤油にはない、アジア料理独特の風味と香りがありますが、普段の料理をアレンジしたいときにはおすすめの調味料です。
 香りや風味を和らげたい場合は、フライパンで水分を蒸発させてから使用することで香ばしさが加わり、扱いやすくなりますよ!

 

▶ナタデココ(フィリピン) 
 意外に思われるかもしれませんが、ナタデココも発酵食品です。ココナッツの果汁に酢酸菌を混ぜて発酵させた時にできる食品です。デザートに多く使われます。

 

発酵食品を多く取り扱うお店

 発酵食品の数は自分の想像よりも多い!と思ったりしませんか?この記事を書く前に筆者が良く通い、発酵の奥深さを知るきっかけとなった発酵食品の専門店を紹介します!


▶発酵デパートメント@下北沢
東京都の下北沢にある「発酵デパートメント」は、世界の発酵みんな集まれ!」を合言葉に、各地のユニークな発酵食品・食材やお酒など、発酵のことならなんでもそろうデパートメント(引用)」です。

 筆者が行った時は発酵の違いにより醤油だけでも多くの種類が販売されており、店員さんが丁寧に教えてくれました。その他発酵食品の定番の味噌に加えて、様々なお惣菜、地方の発酵を重視しているパン屋さん、発酵を学べるギャラリーコーナー等、発酵ラバーにはたまらないお店となっています。ぜひ機会がありましたら「発酵デパートメント」に行ってみてくださいね。オンラインでの販売も行っておりますので、是非見てみてください。

https://hakko-department.com/store/

 

最後に

 発酵食品のメリットやデメリット、菌別に免疫やダイエットに関する発酵食品は分かりましたか? 発酵食品のメリットを知るとより食生活が充実していきますよね。

 乳酸菌と働きは異なりますが、腸のデトックスや便秘が気になる方には、サツマイモもおすすめです。サツマイモダイエットの始め方が気になる方はこちらの記事をご覧ください!

始める前に知りたい「サツマイモダイエット」のメリット・デメリット

 体重や肌改善に注目して、実際に編集部が腸活を1か月間行った結果はこちらです!

【体験談】「腸活は効果がない?」1カ月間、管理栄養士が本気で検証してみました。

参考文献

(※1 )マルコメ株式会社 発酵マイスターに聞く!知って得する発酵豆知識 
https://www.marukome.co.jp/marukome_omiso/hakkoubishoku/20181025/10134/

(※2) 明治 乳酸菌1073R-1株試験結果 https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/report/1073r1/03/01/

(※3) 養命酒 ハーブ・生薬のあるすこやかな暮らしをお届け! https://www.yomeishu.co.jp/health/3892/

(※4)ダノンジャパン株式会社 ダノンビオ https://www.danone.co.jp/faq/danone_bio/

(※5)一般社団法人 日本発酵文化協会 https://hakkou.or.jp/about/farmentation/

 

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