生理前はホルモンバランスで区切ると「黄体期」と呼ばれる期間に当たります。この期間は身体に変化が起きやすく「食事量は変わらないのに太ってしまった」「食欲が止まらず、ついつい食べ過ぎてしまう」など、体重管理が上手にできないなどの悩みも多く聞かれます。
 今回はそんな黄体期の基本から対処法について管理栄養士が分かりやすく解説していきます!

▶生理前は太りやすい時期!

管理栄養士 岡部
管理栄養士 岡部

実は生理前は身体の状態が大きく変化するため、太ってしまうことも多いです。
そこで今回は、生理前は身体がどう変化しているのか知ることで、生理期間を賢く乗り切る方法を紹介します!

生理前ってどんな時期?

▶生理周期は4期に分かれる
 ホルモンや体温によって、生理周期周期は大きく4期に分かれます。一般に月経周期は25~38日間と言われています。
 実際に出血が起こる時期は「月経期(げっけいき)」と呼び、月経期前(生理前)は「黄体期(おうたいき)」と呼ばれます。

 上記の図を見ると「黄体期」は「プロゲステロン」というホルモンが多く分泌されている時期です。この時期は子宮内膜をやわらかくして妊娠しやすい環境を整えます。
 プロゲステロンは妊娠を助けるホルモンとも言われているため、身体の変化が大きく、様々な症状が出る時期でもあります。このような状態を月経前症候群(PMS:Pre menstrual Syndrome)と言われています。

 

▶PMSは精神的な症状もある

 PMSはアメリカ精神医学会の定義(DSM-Ⅲ-R)では月経1週間前に以下の症状のうち4つ(①~④のうちひとつは必須項目)当てはまり、月経と共に症状がなくなる特徴があると記載しています。(※1)

 PMSの主な症状
  ①気分の不安定
  ②イライラや怒りやすい
  ③不安感・緊張感
  ④うつ状態・自己評価の低下
  ⑤仕事・趣味などへの興味消失
  ⑥倦怠感・エネルギー低下
  ⑦集中力低下
  ⑧食行動変化(甘いものを食べたくなるなど)
  ⑨睡眠障害
  ⑩その他の身体症状(乳房緊満感・体重増加・むくみ・頭痛・肩こりなど)

参考:アメリカ精神医学会(DSM-Ⅲ-R)

PMSの症状で、気分が不安定になったり、倦怠感を感じるのは黄体期の体温が上がりやすいことが大きく影響しています。黄体期は身体が赤ちゃんを迎える準備を行っているため、黄体期は体温が高くなり、身体の変化が大きい時期です。

 月経と共に上記の症状が収まらない場合は、専門の医療機関に受診してみることをおすすめします。PMSの症状はひとそれぞれです。辛い時期は我慢すれば乗り越えられるという気持ちになる前に受診してみてください。

 

生理前に気になる「おりもの」

▶おりものとは
 黄体期や生理期間の前後に心配なる「おりもの」です。
 おりものとは、女性の身体から「おりてくるもの」という意味があり、至急や膣などの分泌物による粘り気のある液体のことをさします。おりものがあることは普通のことです。また、出る量にも個人差があるため、おりものの量は普段から確認しておくことが重要です。

▶おりもの使い方
 おりもの変化は身体からのサインとも言われています。生理前に調子が悪いという方はまず「おりものシート」などを使用し、おりものに変化がないかを視認で確認することをおすすめします。
 おりものシートなどを利用すれば、下着の汚れを防ぐこともできますし、生理の最後の終わりかけの際に使用することもできます。まだ使ったことがない方は薬局などで一度確認してみてはいかがですか?

▶おりもの役割
 おりものには主に2つの役割があります。1つ目は細菌などが膣内を通って、体内に入ってくるのを防ぐ役割。
 2つ目は受精する際に、精子がスムーズに子宮まで到達するのをサポートする役割です。

▶おりもの変化
 おりものは黄体期にはドロッとした粘度の高い、白っぽく濁った状態で出てくることがあります。生理前にかけ量は増えることが多いと言われています。また、排卵期前の卵胞期は受精のために最も分泌量が多くなると言われていますが、この時は透明で水っぽいおりものが多いとも言われています。

 おりものでも、形が明らかに固まりで出てきたり、色味が灰色、黄色、黄緑、赤褐色、ピンク色などの変化が満たれたときはすぐに専門の医療機関を受診しましょう。

 

生理前は熱っぽくなるのはなぜ?

 熱っぽい日が続き、風邪をひいたかな? と思っていると生理が始まったことはありませんか? それは偶然ではなく、生理前の熱っぽさにはしっかりとして理由があるんです。

▶生理前の「黄体期」は高温期

 生理前の「黄体期」は高温期と言われています。
 正常な排卵が行われている女性の基礎体温は低温気、高温期に分かれ、実際に体温が上昇、低下を繰り返しています。この高温期により「熱っぽさ」や「倦怠感」が生まれることがあります。

 

 また、排卵が行われ、妊娠をしていた場合、黄体期が終わった後は月経が起こらず、高温期が続きます。妊娠期は最後の月経からの期間を数えるので、その場合黄体期が妊娠超初期に当たることもあります。一般的に、妊娠初期の中でもごく早期の期間(妊娠0週から3週まで)を「妊娠超初期」と言います。

 生理前は妊娠初期症状とも間違えやすいため、気になる方は詳しい違いを確認することがおすすめです。妊娠初期症状と生理前の違いはこちらの記事をチェック!

 

生理前に太りやすい原因は?

 生理前は気づくと体重が増えていて、焦ることはありませんか? 実は黄体期は体温が上がることに加えて、太りやすい時期になります。太りやすい原因は大きく分けて2つあります。

▶生理前に太る原因はこの2つ

 ①食欲増進による体重増加

 ②体内の水分量増加による体重増加

 食欲増進以外にも、水分を抱え込む時期になっていることが生理前に太ってしまう原因のひとつです。
 なぜ、食欲が増し、体内の水分量が増加するのかその詳しい理由を説明していきます。

 

生理前に食欲が増加する理由は?

生理前の黄体期は不安やイライラから食欲が増加しやすく、甘いものや間食を摂りやすくなることがあります。これにはプロロゲステロンというホルモンの影響でインスリンと言う血糖値を下げるホルモンが働きにくくなるためです。この働きにより血糖値が急上昇と急降下し、血糖値が低い時に甘いものが食べたくなったり食欲が増すと言われています。

▶高糖質なものは避ける

 血糖の急激な変化を防ぐには高糖質なもの(特にチョコレート、ケーキなどの甘い物)は避けるように気を付けましょう。また、生理前にイライラして食欲が増加する時はエストロゲンに近いと言われているイソフラボンを摂る、リフレッシュに繋がるビタミンCを摂る(気軽に摂取できるサプリメントも可)、カフェインを避けるようにしてください。 
 糖質制限しながら食べれるおやつはこちらから紹介しています!

 

▶生理前食べすぎに繋がりやすい時期

黄体期はイライラしやすく、それにもなって食欲も増えやすい時期です。無理して食べることを我慢すると余計にイライラすることもあります。この時期は自分の身体を一番に考えて、自分を甘やかす時間を摂るようにしましょう
 ストレスで食べ過ぎとは逆に、極端に食べないなど、過度なダイエットを行うのも控えるようにしましょう。
 自分の身体を労わりながら週末の予定を組んだりなどして楽しく過ごしてくださいね。

 

生理前のむくみが起こる原因は?

 生理前はプロゲステロンの影響により、身体が水分を蓄えやすい状態になります。

▶むくみが気になるときに気をつけたい食生活

・塩分摂取を控える
・カリウムを摂取する(緑黄色野菜に豊富)
・アルコールを控える

 特に体期のむくみ対策には塩分制限が大きなカギをにぎっています。 
 塩分濃度が高いものを食べると、喉が乾くことがありますよね。このとき塩気を洗い流そうと水分を多く摂りやすくなりますが、塩分濃度が高い状態で多くの水を摂ると塩分が水分を捕まえて、水分を溜めこみ、体内の塩分濃度を薄めるようとします。そのため、身体はむくみやすくなると言われています。

 まずは、減塩を心がけ、水分は1日に1.5Lを基準に摂れるように心掛けましょう。塩辛いと思ったときはカリウムなどの塩分を排出してくれる機能を持つミネラルを意識して摂りましょう。食材では枝豆や、さつまいも、キウイフルーツなどにも多く含まれています。

 塩分むくみ記事はこちらから

「むくみの原因」に、今日からできる10個の対策

 

▶生理後に体重管理を行うのが◎

 生理前の黄体期はイライラして、スナック菓子などを食べたくなりやすい時期です。 
 生理前は自分に優しく、生理後はホルモンバランスが整い、痩せやすい時期のため、生理終わりに食生活をカバーすることがおすすめです。
 ダイエット中の方は、生理前になかなか体重が落ちないと落ち込まずに、生理後の月経期から体重を測り、卵胞期から運動やダイエットを再開することをお勧めします。

 

まとめ

 生理周期の個人差もありますが、女性特有の悩みとして代表格の生理生理前はイライラした気持ちの変化や体重増加にも影響を与えます。
 生理前の悩み、体調、また体調を整えるためには、普段の生活習慣をカレンダーなどにメモしておくことで、来月の自分の生理前の過ごし方や予定の立て方のヒントになります。生理前の症状はそれぞれ違うため、悩みが多い時期ですが、あまり体重や体温など数値に神経質にならずに過ごしてみてはいかがでしょうか?

▶基礎体温を測ってみよう!

 また、基礎体温を測定すると高温期が分かり、現在は黄体期と判断することができます。体温は測るタイミングによって大きく変化するため、安定して計測する方法はこちらの記事で解説しています!

基礎体温でセルフケア!低温期・高温期の基本をまとめました

 

参考文献

(※1)厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班)監修  「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」
http://w-health.jp/monthly/pms/

 

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