新型コロナウィルスの影響でテレビなどから多く耳にするようになった「免疫」という言葉。

そんな注目の免疫について、あなたは「免疫力って何?」と聞かれたらどう答えますか?

 スーパーでは免疫力アップを意識してか、健康を意識した食品が売り切れ、ネットではちょっと怪しげな健康商品の情報も見かけるようになりました。健康について意識が高まっている今だからこそ、正しい知識を持ち、自分で選択する力が求められています。
 今回はこういった商品を選ぶ際の参考になるように「免疫とはなにか」「免疫は上げられるのか」「免疫が下がる理由」「免疫が上がると言われている食材の理由」について連載でご紹介していきます。

 

免疫力とは?

 免疫とはもともと疫病(感染症)を免れるという意味で、同じ感染症に二度とかからないという意味で使われていましたが、現代では「菌にかからない抵抗性全般を指し、炎症などを排除する働きも意味として含まれています。※1」
「菌にかからない抵抗性全般」とは、そもそも感染しない、また感染した後の症状を重くさせないという意味で「抵抗」と使われます。
 Nutoriesではこれらをまとめて、免疫力とは「体の防衛力」として「敵の侵入を防ぐ力」+「侵入された時の抵抗力」の総称と紹介していきます。

免疫力を上げることは可能なのか?

 免疫力がある状態とは、体が健康に保たれている状態のことです。そして免疫力はなにか特定の成分を摂ることで上がるわけではありません。基本は栄養バランスの取れた食事を摂り、適度な運動と、しっかりと寝ることが免疫力の基礎になります。
 とはいえ、世の中にはたくさんの「免疫力を上げる」食事や食材の情報がたくさんあります。これらがなぜ免疫力を上げると言われているのかについてはその根拠とされる内容を別の記事で紹介していきます。

 

免疫力が下がる原因とは?

 免疫力が下がる原因の1つとしては、生活習慣の乱れなどによりウイルスの感染経路となりやすい粘膜の状態が悪化していることが考えられます。粘膜は外からの敵の侵入を防ぐために「唾液」「粘液」「線毛」などの機能で侵入を防ぎます。 粘膜の機能が保てないと体内に敵を侵入させやすくなることにつながります。このことから「体内に敵が侵入しやすくなる=免疫力が下がる」といえます。
 では粘膜の防衛力を維持するためにはどのようにしたらよいのでしょうか。粘膜の健康維持に関わるポイントをこちらに上げてみました。いくつ当てはまるかチェックしてみてくださいね。

 ☐ 好き嫌いがあり食事の内容が偏っている 
 ☐ 睡眠時間が不足している
 ☐ ストレスが溜まっている
 ☐ 1日を不規則なスケジュールで過ごしている
 ☐ 高齢者である

 3つ以上当てはまる場合は免疫力が下がりやすい傾向にあるとされています。加齢については対策をとるのは難しいですが、ストレスが溜まっていたり、不規則な時間で過ごしている場合は下記の記事が役に立つかもしれません。是非チェックしてみてくださいね。
 ☞「管理栄養士に聞いたテレワーク人へ進めたい食事法とは
 栄養の偏りが気になる方は不足している栄養素がないか、今後のシリーズ記事でご確認ください。

 

なぜ免疫力を高めると言われる食材があるのか?

 さきほど「特定の食材を摂るだけでは免疫力は上がらない。」と紹介しましたが、乳製品のCMなどでは「免疫力」という言葉を多く耳にします。詳しくは別の記事でも紹介していきますが、今回は代表例として乳製品の中でもヨーグルトが免疫力を上げると言われる根拠についてお先に少しだけご紹介します。

「ヨーグルトが免疫力を上げる?」 
 厚生労働省が運営するe-ヘルスネットでは、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や乳酸菌は善玉菌であり、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ると紹介されています。※2

 また善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生し、ビタミン類は皮膚の粘膜生成に役立つことや、善玉菌の体を構成する物質には、体の免疫力を効果があったとする報告も記載されています。※2
 その他にも根拠としては多数ありますが、国が発表している資料からはこの2つのことから乳酸菌が免疫力を高める根拠のようです。

 

まとめ

 「免疫、免疫力」の定義、どうすると免疫力が下がってしまうのかお分かりいただけたでしょうか?今回は免疫力の基本と、乳酸菌と免疫力の関係について紹介しました。
 免疫力は健康にいいからと特定の食品だけを食べていても効果を得ることはできません。免疫力の基本は栄養バランスの取れた食事を摂り、適度な運動と、十分な睡眠を摂ることです。特定の食品を意識する前に、生活習慣の見直しから始めましょう。
 次回は免疫力を下げないためにはどうしたらよいか、免疫とかかわりのある栄養素の具体例をあげて紹介していきます。免疫力に関して学びながら、自分や家族、周りの方の健康を守っていきましょう!

出典:
※1シンプル生理学(第6版)貴巴 冨久子・根来英雄著、南江堂
※2 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 腸内細菌と健康 

監修:医学博士 久保明
   管理栄養士 岡部遥

TOPページに戻る


3+