女性の身体は生理周期によって体内のホルモンバランスが大きく変わります。生理中の身体の変化について知り効果的にダイエットをすることは、より成功への近道になります。今回は、生理を主軸にしたダイエット方法について、食事・運動方法について管理栄養士監修のもと、詳しく紹介していきます。

 こちらの記事は読みごたえがかなりあります。気になる箇所は目次から先読みすることをおすすめします。

生理に関わる2つのホルモン

 まず、生理に関わる大切なホルモンを2つ紹介していきます。それが『エストロゲン(卵胞ホルモン)』『プロゲステロン(黄体ホルモン)』の2つです。 

 この2つのホルモンは一定の周期によって増えたり、減ったりしながら女性の身体と心に作用する重要な役割をしています。それぞれのホルモンの働きを見ていきましょう。

▶エストロゲン(卵胞ホルモン)


 
エストロゲン(卵胞ホルモン)は、生理が始まるとともに徐々に増えていき、排卵時にピークになりその後減少していきます。また、エストロゲンが多く分泌される時期を『卵胞期』と呼びます。

 エストロゲンが多い時期は、比較的身体も心も安定しやすく体調が良い時期といわれています。
以下は、エストロゲンが身体に与える主な働きです。

▶エストロゲンの特徴

 ・女性らしさをつくる

 ・心が安定する
 ・基礎体温*を下げる

 *基礎体温とは…「生命を維持するのに必要最小限のエネルギーしか消費していない安静時の体温」のことをいいます。計測できる時間帯は、起きたときにベッドで横になったままの安静な状態。

 簡単にまとめると、エストロゲンが多く分泌される時期がダイエットを積極的にするのに最適な時期と言えます。

 

▶プロゲステロン(黄体ホルモン)

 プロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵後から徐々に増えていき、生理が始まるとともに減少します。また、プロゲステロンが多く分泌される時期は『黄体期』とも呼ばれています。

 プロゲステロンが多く分泌されている時期は、腹痛・頭痛・腰痛・むくみなど身体的な症状や、イライラするなど精神的に不安定になりやすい時期といわれています。

 以下は、プロゲステロンが身体に与える主な働きです。

▶プロゲステロンの特徴

 ・体内の水分を保持する(むくみやすい)
 ・食欲を増進させる
 ・精神的にイライラしやすくなる
 ・基礎体温*を上げる

 まとめると、プロゲステロンが多く分泌される時期は、心と身体のバランスを保つのが難しくなるため、心と身体をいたわりながらダイエット結果をキープすべき時期と言えます。

生理周期に合わせたダイエット方法

 2つのホルモンの働きを知ったところで、次は生理周期に合わせた具体的なダイエット方法について解説していきます。1カ月の女性の身体の変化にあわせて以下の3つの時期を紹介していきます。

1.『生理中』:月経1~7日まで
2.『卵胞期』:月経7~14日まで(生理開始から排卵まで)
3.『黄体期』:月経15~28日まで(排卵後から次回生理開始まで)

 これらの3つの時期の中で、「自分は今どこの時期にいるのか?」を知り、その時期に沿った適切なダイエット法を実践していきましょう。卵胞期、黄体期であるかどうかを知るには基礎体温を計測する必要があります。

 基礎体温についてはこちらの記事で基本を確認しましょう。

基礎体温でセルフケア!低温期・高温期の基本をまとめました

 

生理中のダイエット「無理なダイエットはNG」

▶生理中の特徴

 ・生理初めに腰の重怠さや腰痛を感じる
 ・月経量が多いと貧血になりやすい
 ・エストロゲンとプロゲステロンの分泌量は少ない
 ・生理後半になると徐々に身体が安定してくる

 生理の始めは腰が重怠く感じたり、腰痛を強く感じる時があるので無理にダイエットをしても逆に疲労感や重怠さを強めてしまう可能性があります。そのため、生理中は積極的にダイエットに取り組むよりも、身体をいたわりながら現状維持を目指しましょう。

 一方で、生理後半になるとエストロゲンの分泌量が徐々に増えてきて心と身体が安定してきます。その場合は、体調と身体の状態に合わせてダイエットを徐々に始めていくと良いでしょう。自分の身体を向き合うために生理痛の原因と心地よく過ごす方法を知りたい方はこちらの記事も見てみてくださいね!

生理痛の原因は? 悩んだら知っておきたいPMS・PMDDの違いと対処法

 

▶生理中の食事 
 生理中は出血により貧血になりやすい時期です。とくに月経量が多い方は貧血によるめまいや頭痛・体の倦怠感などの症状が起こる場合もあります。そのため、ダイエットで鉄分を多く含む食材を減らしてしまうと貧血症状を悪化させてしまう可能性があるので、生理中は大幅に食べる量を減らすことは避けましょう。

 代わりに塩分や糖分に気をつけながらバランスのとれた食事を心がけることが大切です。また、貧血予防に鉄分を多く含む食べ物を意識して摂取すると良いでしょう。

 以下は主に鉄分を多く含む食材です。

▶鉄分を多く含む食材

 

食品名 常用
目安量
目安量の
重量(g)
目安量あたりの
含有量
(μg)
100gあたりの
含有量
(μg)
豚レバー 1人前 60 7.8 13
鶏レバー 1人前 60 5.4 9
しじみ 15個 75 4 5.3
あさり 1/2カップ 80 3 3.8
干しひじき 1人前 5 2.8 55
干しそば(乾燥) 1人前 100 2.6 2.6
小松菜 1人前 80 2.2 2.8
まぐろ 刺身
5~6切れ
100 2 2
菜の花 1人前 70 2 2.9
大豆 大さじ2杯 20 1.9 9.4
ほうれんそう 1人前 80 1.6 2
えだまめ 20さや 50 1.4 2.7
春菊 1人前 80 1.4 1.7
そら豆 5~6個 50 1.2 2.3
鶏卵(卵黄) 中1個 20 1.2 6

(鉄を多く含む食品、食事管理のための日常食品成分表―やさしく、わかりやすい
(出浦照國監,樋口久美子編),235頁,医歯薬出版,2008より引用)

 上記でもとくに多く含まれているレバーは鉄分を多く含んでいる食材として有名です。その他にも、しじみ・あさり・ひじき・小松菜・ほうれんそう・卵黄など鉄分を含む食材です。

 貧血を防ぐには他にも葉酸やビタミンB12といった赤血球を作るのに欠かせないビタミンを合わせて摂ることが重要です。他にも鉄分はビタミンCと合わせて摂ることによって吸収率が上がるため、柑橘系の果物や飲み物を合わせて摂ることもおすすめです。

 好みに合わせて毎日の食事メニューに取り入れやすい物を選んでいきましょう。鉄分が豊富といわれているひじきの真相はこちらの記事で紹介しています!

ひじきに含まれる鉄分が5年前の「9分の1」なった真相を求めて

 

▶生理中の運動
 ダイエット中はすこしでも運動をして効果を得たいと思われるかもしれませんが、生理中は激しい運動は避けるようにしましょう。
 生理の始まりは、腰の重怠さや腰痛を感じる方が多いです。そのため、激しい運動をすると腰痛が悪化したり体調不良になったりと身体への負担が大きくなる可能性があります。

 運動は、激しくなく、身体のバランスを整える自分のコンディションに合わせて軽いエクササイズを取り入れていくと良いでしょう。

 生理中の運動でおすすめなのは、ストレッチやヨガ、ウォーキングなどの有酸素運動です。適度な運動は血行を良くするので冷え改善にもつながります。身体をいたわりながら頑張りすぎないようにしましょう。

▶編集部おすすめの生理中ストレッチはこちら

 

卵胞期のダイエット「ダイエットに最適な時期」

 卵胞期は、月経7~14日まで(生理開始から排卵まで)の時期のことをいいます。卵胞期の特徴を簡単にまとめると以下のようになります。

▶卵胞期の特徴

・エストロゲンの分泌量が多くなる
・心と身体が安定する時期

 卵胞期はエストロゲンが多く分泌される時期のため、エストロゲンの効果により心も体も安定しやすくなります。なので、この時期に積極的なダイエットしていくと効果的です! では、卵胞期のダイエット法として食事や運動について紹介します。心も安定しやすい卵胞期の過ごし方はこちらからご覧ください!

「卵胞期の過ごし方」女性ホルモンと内側から向き合う方法

▶卵胞期の食事

 ダイエット中の食事はさまざまな方法や意見があり、なかには偏った食事法もあります。ただ、そういった方法は効果がすぐに表れるかもしれませんが、一時的なものが多くを占めています。

 例えば糖質制限ダイエットなどは、もともとは食事療養が必要な方向けのものでしたが一般的なダイエットとして定着しつつあります。糖質を制限すれば自然と1日に摂るカロリーは抑えられダイエット効果が期待できますが、一方で、糖質を摂ることを再開すれば体重はすぐに戻ります。

 このように、急激な食事制限はストレスにつながり、偏った食事を続けていくと必要な栄養がとれず健康面の問題につながる可能性があります。食事はバランスの摂れた内容で摂りましょう。

 

▶1日の食事バランス
 食事の基本は『主食』『副菜』『主菜』をバランスよく摂取しながら、全体的なカロリーを抑えていくことを心がけましょう。下は厚生労働省が推奨している1日の食事バランスを示した食事バランスガイドです。

 こまめに摂るべき水分を軸にして、主食、野菜などの副菜、主菜と摂るべき量が分かりやすく図で表現されています。乳製品や果物は少なめに表示されている通り、あまりに偏った量を摂らないように注意しましょう。

(出典:厚生労働省「食事バランスガイド」)

▶1日の必要エネルギー
 1日の総カロリー数は年齢・身長・体重・活動量で異なりますが、活動量が少ない場合の成人女性の1日の総カロリー目安は1400~2000kcalといわれています。下の図を参考に、自分に必要なカロリーでは主食、副菜、主菜がどの程度必要かをチェックしてみましょう。

(出典:農林水産省 1日に必要なエネルギー量と摂取の目安)

 主食、副菜、主菜は主に以下の食材を差します。カロリー数に沿って『主食・副菜・主菜』の3つを中心にバランスよくとり、牛乳などの乳製品や果物もあわせて摂取していきましょう。

主食 ごはん・パン・麺 
副菜 きのこ・いも・海藻類
主菜 肉・魚・卵・大豆類

▶ダイエット中の食事ポイント
 また、ダイエット中の食事では、選ぶポイントとして『糖分・塩分・脂質』を控えめにすることが重要です。
糖分や脂質の多い食事は脂肪増加の原因になり、塩分の多い食事はむくみの原因にもなります。

 いつものレシピでも砂糖や醤油を半分にしたりなど薄味を心がけましょう。また、ファストフードはカロリーが高く野菜などの栄養が偏りやすくなります。日頃から食べている方は回数や量を減らしてみることをおすすめします。

(出典:生活習慣病予防の健康情報サイト ファストフードのエネルギー(カロリー))

糖質を抑えたい時は間食から抑えることでダイエットに繋がりやすいです。糖質オフのおやつを知りたい方はこちらの記事もチェック!

【管理栄養士監修】糖質制限中に今すぐ買えるおやつと、その選び方

▶卵胞期の運動

 卵胞期は、心も身体も安定しているので積極的に運動に取り組むのに最適な時期です。おすすめのトレーニングにはウォーキングやランニング、水泳、ヨガ、ロッククライミング、スクワット・筋トレなど自分の好きなエクササイズを自由に実践していただきたい期間です。一番のポイントは自分が「続けやすく」「楽しい」と思える運動を選ぶことをおすすめします。

 運動習慣をつけるために、時間や日を決めて日常の生活の中に取り入れるように心がけると継続しやすいでしょう。また、運動する際は、脱水に注意し適宜水分補給も忘れずにしましょう。編集部が実際に有酸素運動を実践した内容をまとめたこちらの記事もおすすめです。

2週間「本気で有酸素運動」した結果!得られた効果とデメリットをまとめました!

 

黄体期のダイエット「心身トラブルが多い時期」

 黄体期は、月経15~28日まで(排卵後から次回生理開始まで)の時期のことをいいます。生理中の特徴を簡単にまとめると以下のようになります。

▶黄体期の特徴

・エストロゲンの分泌量が低下し、プロゲステロンの分泌量が増加する
・身体がむくみやすい
・肌荒れが起きやすい
・食欲が増進する
・イライラなど精神面に不安定になる

 黄体期はプロゲステロンの分泌量が増加する影響で、身体にさまざまなトラブルが起きやすい時期です。プロゲステロンの作用により、体がむくみやすくなり、肌荒れなど身体にも影響がでやすい時期です。精神的にはイライラしやすかったり、食欲が増進するなどの症状が起こりやすくなります。

 そのため、黄体期ではダイエットに積極的に取り組むというより、それらのトラブルを対処していくことが大切です。下ではトラブル対処法として黄体期の食事と運動について紹介していきます。黄体期の熱っぽさやトラブルの要因はこちらで解説しています!

黄体期の過ごし方「生理前は太りやすい?熱っぽい?」おすすめの対処法をご紹介

 

▶黄体期の食事
 黄体期では、プロゲステロンの作用によって食欲が増進します。そのため、まず「自分が食欲が増す時期にいる」ということを認識することが大切です。

 食欲にまかせて食べてしまうと「気づいたらこんなに増えてる…」ということも。「自分は今食欲が増しやすいから、食べ過ぎないように気をつけよう」と意識して自分をコントロールしていきましょう。

 ただ、食べたいのに食べられないと精神的なストレスになりますよね。そのような場合は「1つ食べる代わりに1つ減らす」という代替法で一日の摂取カロリーを保つと良いでしょう。例えば、夕方にケーキを食べた場合は、夜の炭水化物(主食)のを減らすなどの方法がおすすめです。すぐに食事を代替せずに翌日の食事量を減らすなど、食べ過ぎた際は翌日の食事量を含めて見直してみましょう。

 

▶黄体期の運動

 黄体期は心と身体が不安定になるため、無理な運動は避けるようにしましょう。プロゲステロンの作用により、腹痛・頭痛・腰痛・体もむくみやすくなるなど身体的な症状や、イライラするなど精神的に不安定になりやすいです無理な運動をするとこれらの症状を悪化させてしまう可能性があります。

 そのため、体調に合わせながらストレッチやヨガ、ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れると良いでしょう。ウォーキングなどの有酸素運動は適度な運動で黄体期でも効果が感じられやすい運動です。

 

▶むくみ解消法

 黄体期ではプロゲステロンは体内の水分を保持する作用があるため、水が溜まり、結果として体がむくみやすくなります。ここからは、なかなかダイエット効果が感じられにくい黄体期にピッタリのむくみ解消法をいくつか紹介します。

 以下は主なむくみの解消法です。

・塩分控えめの食事をとる
・適度な運動を行う
・お風呂につかったり足湯をする
・足のマッサージを行う
・足を椅子やクッションなどを使って上に上げる
・着圧ソックスをはく

 塩分の高い食事をとるとむくみが悪化しやすいため、むくみ予防として日頃から塩分控えめの食事をとることを心がけましょう。また、適度な運動を行ったりお風呂でマッサージしながら温めると足先の循環が良くなりむくみ改善に有効です。

 また、長時間立っていたり足を下している姿勢は足がむくむため、休息時に足を上げたり寝るときはクッションを使って上げると良いでしょう。むくみ予防として圧着ソックスを使ってみても良いでしょう。むくみ対策はこちらの記事でも細かく解説しています!

「むくみの原因」塩分・運動不足を改善する10個の対策をご紹介!

 

▶PMS(月経前症候群)の時のダイエット 
 黄体期は生理前の期間でもあり、PMS(月経前症候群)の症状も現れやすい時期です。
 PMSとは、生理前の『黄体期』にみられる3~10日間続く身体的・精神的症状のことで、生理が始まるとともに症状が軽くなったり消失することをいいます。

以下は主なPMSの主な症状です。

▼PMS(月経前症候群)の症状

精神的症状 抑うつ、イライラ、不安、集中力の低下
身体的症状 めまい、倦怠感、腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹・胸の張り

(参考:日本産科婦人科学会)

 PMSによりめまいや体のだるさ、腹痛・頭痛などの身体的な症状がでることや、精神的にもイライラしたりひどく気分が落ち込みやすくなることがわかっています。こうした症状は、月経のある女性の約7~8割が経験しており、生活に困難を感じるほど強い症状のある女性は20人に1人の割合といわれています。(日本産婦人科学会より)

 そんな時期に無理にダイエットをしようとしてしまうと気分が落ち込み、逆にモチベーションを下げてしまいダイエットを止めてしまう原因につながります。

 また無理なダイエットが原因でPMSの症状が悪化する可能性もあります。そのため、PMSがあるという方は無理にダイエットを頑張ろうとせず、自分の体を優先してケアしてあげることが大切です。

ダイエットで注意するべき3つのこと

 次にダイエットで注意することについて紹介していきます。主に生理中に関わるダイエットで気を付けたい点は以下の3点です。

 ・間食について
 ・無理なダイエットは生理不順になる?
 ・リバウンドを避ける方法

 ここからは、こちらの3つについて詳しくご紹介していきます。

間食について

 間食を一切食べないというのはツラいことですよね。そんなときは間食の内容を選んで回数や量を減らすことをおススメします。

 間食といえば一般的に、ケーキ・クッキー・チョコレート・スナック菓子などの洋菓子が人気ですが、このような食品には糖分・脂質が多く含まれ、カロリーが高いものも多いです。とくにスナック菓子では塩分も多く含まれているものが多いので食べ過ぎには注意が必要です。

(出典:生活習慣病予防の健康情報サイト 間食のエネルギー(カロリー))

 間食に摂りがちなケーキやチョコレートは、代わりに果物を間食として取るとカロリーを抑えることができます。また、不足しがちなカルシウム源になるヨーグルトなどの乳製品を間食として選ぶのも良いでしょう。
 *乳製品は脂質も含むため気になる方は、低脂肪のものを選択するようにしましょう。

 一方で、どうしてもお菓子を食べたいという時もありますよね。そうした時は、大きい袋の物ではなく、小袋の物を選んだり、小皿へ一回分を取り分けて食べるようにすると食べ過ぎてしまうことを予防できます。

 市販のジュースや炭酸飲料などは砂糖が多く含まれているので控えた方がベストです。ジュースの代わりに砂糖が含まれていないお茶・ほうじ茶・紅茶などを選ぶと良いでしょう。1日の総カロリーを計算しながら間食の種類を選んで工夫していくことが大切です。

 

無理なダイエットが生理不順に繋がる?

 「ダイエットを頑張りすぎたら生理がこなくなった」という話を聞いたことがある方もいりかもしれません。じつは生理に関係する女性ホルモンは身体の栄養状態に影響されるため、無理なダイエットにより体重が急激に減ると生理がとまるなどのトラブルを引き起こす可能性があるのです。

 また、生理不順だけではなく、血行不良による手先の冷えや自律神経の乱れによるイライラ・倦怠感、免疫力も下がるため風邪をひきやすくなったりします。

 そのため、急激に体重を落とす過激なダイエットではなく、自分の身体や生活に合わせた健康的なダイエットを心がけましょう。

 

リバウンドを避ける方法

 リバウンドはダイエットで落ちた体重がまた同じ体重に戻ることを指します。ダイエットで体重を落とすことができてもその後に戻ってしまったらせっかくの努力も水の泡になってしまいます。リバウンドを避けるためには、結果を焦らず長い目で取り組んでいくことが大切です。

 急激な食事制限や運動は長続きせず、身体にも負担となります。さらに大幅な体重制限は、食事量を落とす方法が行われることが多いのですが、急激に食事量を減らした場合、食べられないストレスや、一定の体重が落ちてもすぐにそれまでの食事制限では体重が落ちなくなります。

 結果が出づらくなることでストレスが溜まり、体重が落ちては戻るというリバウンドにつながるケースは多く見受けられます。もともと食べ過ぎていた場合、正常な食事量に慣らすためには有効でも、人と比べてあまり食事量に差がない場合はリバウンドの可能性が高くなるため注意しましょう。

 

▶ダイエットの目的設定
 ダイエットはリバウンドや身体への影響は最小限にしつつ、まずは自分の性格や身体に合わせた小さな目標を立てて、長期的に結果を得られるように、心に余裕を持って勧めることをおすすめします。

 たとえば、「起床時10分のエクササイズを毎日続ける」「1日1本のジュースを週1回にする」など小さい目標を具体的に挙げて、あなたの毎日の生活行動を少しずつ変えていきましょう。普段の行動を少しずつ変えて日常生活にダイエットを取り入れていくと、リバウンドしづらく長期的に体重をキープすることができます。

 

▶体重の目標設定のしかた
 ダイエットの効果を測る目的で『体重測定』は大切です。最近はモデルやタレントなどのスタイルを目指して、目標体重を適正な体重よりもかなり低く設定している場合があります。危険なダイエットを回避するためにも体重の目標設定は適正な範囲で設定することが重要です。

 また、体重管理をすることは、結果が目に見えるとモチベーションを保ちやすくなります。そこで、体重の目標数値を作り、日々の体重変動を確認することはダイエットのモチベーションを維持する一つの方法です。最近では体重記録ができるアプリもあるので、そういったツールを活用してみてもいいかもしれません。

 次では目標体重を設定する際に使える、『標準体重』と、『BMI(Body Mass Index:ボディマス指数)』について紹介します。

 

▼標準体重

 体重の目安になる標準体重というものがあります。標準体重(適正体重)は、(身長m×身長m)×22で表されます。たとえば、身長160㎝の成人の標準体重は…

(1.6m×1.6m)×22 =56.32kg ≒ 標準体重は約56kgになります。

 自分の身長から計算して標準体重を調べてみましょう。

▼BMI(Body Mass Index:ボディマス指数)

 ダイエットの目標設定としてBMI(Body Mass Index:ボディマス指数)も有効です。BMIは肥満度を表す指標として国際的に用いられています。BMIは、体重kg ÷(身長m×身長m)で表されます。

 たとえば、身長160㎝ 体重60㎏の女性の場合のBMIは、

 60㎏÷(1.6m×1.6m)=23.43 ≒ BMIは23になります。

 18歳~49歳の女性の標準BMIは、18.5~24.9といわれています。人それぞれ身長や体重が違うので、自分に合わせた目標を設定していきましょう。

 

まとめ:なりたい自分を想像しよう!

 今回は生理中のダイエットについて詳しく紹介していきました。女性の身体は3つの時期『生理中』『卵胞期』『黄体期』でホルモンバランスが変わるため、時期に合わせたダイエットを行っていくことが大切です。

 そのためにはまず、普段から基礎体温を測ることが重要です。基礎体温について知りたい人はこちらの記事もお勧めです。

基礎体温でセルフケア!低温期・高温期の基本をまとめました

 

 ダイエットでは、なりたい自分を思い描くことが重要と言われています。「あの服を着こなせるようになりたい」「夏までに足をキレイに見せたい」など、ダイエット後の自分の姿をイメージしながらそれに向かって取り組んでいくとモチベーションを保つことができます。

 理想の自分に向かう中でも、身体の内側からさっそく取り組んでいきましょう。

監修:栄養士 樋水 香織

参考文献

・公益財団法人 日本産科婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13

・TERUMO 基礎体温でカラダと話そう https://www.terumo-womens-health.jp/trouble/3_1.html

・母性看護学Ⅱマタニティサイクル,南江堂,2012(大平光子,井上尚美編)

・厚生労働省 「食事バランスガイド」について https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

・生活習慣病予防の健康情報サイト 栄養・食生活 賢く食べるコツ 間食のエネルギー(カロリー) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-013.html

・生活習慣病予防の健康情報サイト 栄養・食生活 病気の予防・治療と食事 健康的なダイエット:適切な体重管理で、健康づくりをしよう! https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-009.html

 

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