掃除に洗濯、ごはん作りに買物、目まぐるしい毎日の中で、気づいたらいつぞや買ってきていた野菜が干からびていたり、味が落ちていたということはありませんか? 「家族の食事はなるべく新鮮な野菜を!」と思っても、気づいたら冷蔵庫の隅でしなしなになっているそんなことを繰り返した筆者が週末に下ごしらえをすることによって野菜の持ちがよくなった方法をまとめました。

 食品ごとの正しい保存方法を知れば長持ちするだけでなく、買物の回数、ひと手間かけた保存を施せば平日の時短も目指せてしまうんです!
 にんじんは冷蔵?常温?葉物野菜は保存するなら生?茹で?傷め。などそのままの保存方法と、加工した場合の保存方法をご紹介します。

食材保存のメリット

 今年起きている新型コロナウイルスによって外出の自粛や東京都では買物の回数も3日に1度という要請が出されました。今回は、普段から買物に出かける回数減らせたらいいけれど、野菜は長持ちしないからなぁ…と思っている方に向けて、普段買う食材に一手間かけることで味も鮮度も長持ちする栄養士が家で実践している方法を紹介していきます。ぜひ一度お試しください!

「いや、仕事も忙しくて手間なんてかけていられないわ!」という方は便利すぎる冷凍野菜を活用していきましょう!

冷凍野菜のコスパはいいのか?栄養士が徹底的に比較してみました!


保存向きな常備野菜

 今回は家にあるとなにかと便利な野菜を、筆者が考える3つのカテゴリーに分けておすすめの保存方法、調理保存、解凍方法を紹介していきます! 今回はカレーに煮物にと便利なじゃがいも、にんじん、玉ねぎをご紹介します!

1個は家に
常備したい野菜
場所はとるけど
便利な野菜
傷みやすいけど
栄養満点野菜
じゃがいも キャベツ もやし
にんじん かぼちゃ トマト
玉ねぎ 大根 しょうが

 

冷凍保存時にオススメの ” ブランチング “

 冷凍保存するときにおすすめの方法がブランチングです。野菜を料理に適した大きさにカットして、熱湯で短時間下ゆですることで色の変色や、触感なども良くなります。葉物野菜なら30秒~1分、ブロッコリーやインゲンなどの火の通りが早いものは1分未満。他の野菜は2、3分を目安にしてみてください。また、粗熱が残った状態で冷凍庫に入れると、庫内の温度が上がり不衛生な状態になるので、なるべく冷凍する際は粗熱を摂ることを意識しましょう。 

▶「ブランチング方法」
①食材は固めに茹でて水分をなるべくきってから袋に入れる。
②冷凍しておいたバットを取り出し、袋を上に載せます。(ラップを敷くとさらに衛生的です。)
 ※記事後半ではブランチングの際にあると便利なおすすめグッズもご紹介しています。

 

じゃがいもの保存方法

 炭水化物が豊富なので最近は避けられがちなじゃがいもですが、ビタミン、ミネラルも豊富でとくにビタミンCやカリウムが豊富に含まれています。熱に弱いビタミンCも、じゃがいもの場合はでんぷん質に囲われているため葉物野菜よりも調理したときの残存率が高いのがポイントです! 

 芽や緑色の皮にはソラニンという毒素が含まれて摂りすぎると腹痛などの原因になるので調理するときは取り残しに注意してください。

 

じゃがいもの保存方法
冷暗所保存:3カ月


▶「保存方法」

 ①新聞紙や紙類に包んで冷暗所で保存します。

 【POINT】とれたてのじゃがいもは水分も多く、重ねて保存すると傷みやすいので、なるべく重ねずに保存しましょう。また、芽が出やすい時期はエチレンガスを出すリンゴと保存すると芽が出るのを抑えることができますよ。

おすすめの冷凍保存


▶冷凍保存:1カ月

 調理時間がある方は料理に活かしやすい状態のマッシュポテトを作って冷凍するのがおすすめです。

▶「加工方法」
 ※金属トレイがある方は事前にトレイを冷凍庫で冷やしておきましょう。詳細はページ最後に!
 ①皮をむいたじゃがいもを2cm角に切って水で軽く洗います。
 ②熱湯で15分間煮崩れが起きないように中火で中まで火を通します。
 【POINT】電子レンジの場合はジャガイモを水分が残った状態で、耐熱容器に入れて、ラップをかけて、2個なら600wで6分加熱します(※ジャガイモの水分量によって火の通り具合は変わってきます)。
 ③煮たじゃがいもをざるにあげて、水気を良く切り、温かいうちにボールに入れて潰します。マッシャーがない方は大きめのフォークがおすすめです。
 ④ラップをしいた上に潰したじゃがいもを載せて空気が入らないように包みます。小分けにして包むと便利です。
 ⑤冷やしておいた金属トレイにラッピングしたじゃがいもを載せ、粗熱が取れたらそのまま冷凍庫に入れて冷凍します。

解凍方法


 使う前日に冷蔵庫に入れておき自然解凍させるか、時間がないときは電子レンジで解凍がおすすめです。
解凍したじゃがいもはそのままポテトサラダやコロッケ、牛乳や生クリームと合わせてばポタージュスープにも使えます。

 時間のあるときに大量にマッシュポテトを作り、平日朝に冷蔵庫に移しておいて夜にミックスベジタブルと和えれば平日でも手作りポテトサラダを作れます!

にんじんの保存方法

 にんじんと言えばβ-カロテン。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され抗酸化作用や粘膜の健康に関わるので風邪予防にもおすすめです! さらに脂溶性のビタミンのため油を使った調理との相性が◎!

 生で食べても美味しいのですが、にんじんにはビタミンCを壊すアスコルビナーゼという酵素が含まれています。そのため生で使うときはレモン汁やお酢のドレッシングを合わせたり、ラぺにするのがおすすめです。おすすめのラぺレシピはこちらからご覧ください!

風邪の初期症状に合わせた「対策と対応策」管理栄養士おすすめレシピ付き

 

にんじんの保存方法
冷蔵保存:2週間


▶「保存方法」

①葉が付いているものは取り、泥付きのものは流水でよく洗い水気をキッチンペーパーなどでよく拭き取りましょう。
②新聞紙、またはキッチンペーパーで1本ずつ包んで保存袋に入れます。保存袋の口はかるく結びましょう。
③土に生えているときと同じように縦にして保存すると、鮮度が長持ちします。

【POINT】
にんじんの保存のポイントは「水気」です。水気が残っていると傷みやすくなります。しっかりと水けを取りましょう。泥付きのものは特に葉の付け根などをよく洗って冷蔵庫を清潔に保つのが◎。

 

おすすめの冷凍保存

▶冷凍保存:2カ月 にんじんは簡単に生での冷凍がおすすめです!

▶「加工方法」
①好みの形にニンジンを切ります。(拍子きり、短冊切り、千切りがおすすめです!)
②水気をキッチンペーパーなどでとり、冷凍用保存袋に入れます。※空気をなるべく抜きましょう。

解凍方法

 凍ったまま炒め物や煮物にしても◎! 自然解凍や電子レンジでの解凍も可能です!電子レンジ解凍するときは水分が飛んでパサつかないようにラップはしっかりとお皿にかけましょう。

 

玉ねぎの保存方法

 玉ねぎを切ったときに涙が止まらなくなる原因の硫化アリルはビタミンB1の吸収を助ける効果が期待できるので疲労回復にはビタミンB1が豊富な豚肉とのコンビがおすすめです! また硫化アリルは生で食べることで血液の凝固を防ぐ作用が最も見込めるため、辛みに抵抗がない方はサラダに生でいれるのもおすすめです。

玉ねぎの保存方法
冷暗所で吊るし保存:2カ月

 ①網袋や、麻袋を吊るしてその中に保存します。
 【POINT】※収穫したての玉ねぎは水分が多く、床に重ねて置くと腐りがちです。吊るすのが難しい場合は、段ボールに新聞紙を入れ、その中に玉ねぎを並べて上からも新聞紙を被せて風通しのよい冷暗所で保存しましょう。

※新玉ねぎの保存
 4月頃から出始める新玉ねぎは甘味が多く、水分も多いのが特徴です。水分が多い分、日持ちはしないので、保存は一つずつ新聞紙やキッチンペーパーで包んで、風通しの良い冷暗所か、保存袋に入れて冷蔵保存(約1週間)がおすすめです。一方で、通常の玉ねぎとの違いは水分量などの差はありますが、栄養素に大きな差はないと言われいます。

 

おすすめの冷凍保存

▶冷凍保存:1カ月

▶「加工方法」
①用途に合わせて玉ねぎを切ります。厚めの千切りがおすすめです。
②冷凍用保存袋にいれて空気を抜いて冷凍庫で保存します。
 ※みじん切りにして炒めてから冷凍保存すれば、ハンバーグなどに使えるのでおすすめです。

解凍方法

 使う前日に冷蔵庫に移しておくか、煮物や炒め物に使う場合は冷凍のまま使うのがおすすめです。
【POINT】カレーやスープ、ハンバーグなど何にでも使いやすい、玉ねぎですが生と加熱をしたものを冷凍保存しておけば、毎回炒める手間が省けます。 玉ねぎでかさましがちな方はぜひ試してみてください。

 

保存時のオススメグッズ 

 ここまでで、野菜の保存について紹介してきましたが、保存するには保存用グッズを使うことをおすすめします。今回はおすすめの保存袋の使い分け方についてもご紹介します。

 ▶ラップ…野菜1回分に小分けするのに便利です。
 ▶
保存用袋…サイズ違いで揃えれば、冷凍庫のデッドスペースを減らせます。
 ▶冷凍用保存袋…そのまま電子レンジで解凍する際に入れておくと便利です。
 ▶金属バット…なんちゃって急速冷凍には欠かせません。


おすすめグッズ①  保存用袋

出典:IKEA

 筆者が最もおすすめはこちら、IKEAのISTAD(イースタード)。
 ジップロックから乗り換えたという方も多いのではないでしょうか?サイズ違いの物が2種類入っていて60枚で299円。100円ショップの保存袋と比べても劣らないコスパです。おすすめの理由としてはサイズ違いなので、保存したいものに合わせて使い分けられるのと、ジップロックと同じく、チャック部分が2重になっているので冷凍のときはチャックが一重のものよりも食品の霜焼けする心配が減ります。


おすすめグッズ②  冷凍用保存袋 

出典:旭化成ホームプロダクツ株式会社

 おすすめは言わずと知れたZiplock(ジップロック)です。IKEAや100円ショップにもありますが、ジップロックのすごさは何と言っても「耐熱温度100℃」。忙しい時にはそのまま電子レンジに入れて解凍することも可能です。ただし、油分の多い物を加熱するときは耐熱温度を超えるため調理にはおすすめしません。


おすすめグッズ③ 金属バット

出典:ニッセン 野田琺瑯


 金属バットは冷凍庫で冷やすことで記事冒頭でお伝えしたブランチングした野菜の急速冷凍におすすめです。100円ショップなどでも購入可能ですが、厚めのものの方がしっかりと粗熱が取れるのでセット販売しているものもおすすめです。またバットは粗熱を摂るだけでなく、調理にも使いやすいので調理グッズとしても揃えてみてはいかがでしょうか?
 

まとめ

 じゃがいも、にんじん、玉ねぎはどれも栽培時は土に埋まっているため保存の際は「冷暗所」と「風通しの良い場所」がポイントです。にんじんは特に水分に弱いので水気には気を付けましょう。その他の野菜の保存方法は下記の記事で紹介しています。

もやし、トマト、しょうがの保存方法はこちらから

栄養士が実践する「もやし トマト しょうが」の保存方法をご紹介!

キャベツ、かぼちゃ、大根の保存方法はこちらから

栄養士が実践する「キャベツ かぼちゃ 大根」の保存方法をご紹介!

 

保存に便利なグッズを使えば初めての方もおいしく冷凍野菜が使えるようになるので、参考にしてみてくださいね。 
まず、冷凍保存するのが面倒!という方はコスパもいい冷凍野菜もおすすめです。

冷凍野菜のコスパはいいのか?栄養士が徹底的に比較してみました!

 

魚や貝のおいしく食べれる冷凍・冷蔵方法の秘密はこちらで紹介しています!

【管理栄養士監修】「魚は冷凍していいの?」魚・貝の冷凍方法を紹介!

監修:管理栄養士 岡部 遥

TOPページに戻る


3+