野菜を買ってから気づいたら干からびていたり、味が落ちていたということはありませんか?食品ごとの正しい保存方法を知れば保存がきく分、買物の回数を減らし、週末にひと手間かけておけば平日調理時間の時短も目指せます!
 にんじんは冷蔵?常温? 冷凍したお肉はいつまで大丈夫? お米の保存は冷蔵庫?冷暗所?といった基本を記事毎にご紹介していきます。

食材保存のメリット

 食材保存のメリットは使い切るまでの保存期間が伸び、野菜の鮮度も保てることです。外出する機会を減らしたいと考えている方は、まず買物の回数から減らしてみてはいかがですか?今回は普段買う食材に一手間かけることで味も鮮度も長持ちする方法を紹介していきます。
 「いや、その手間すら面倒で無理…」という方は冷凍野菜を活用しましょう! 

冷凍野菜のコスパはいいのか?栄養士が徹底的に比較してみました!

 

保存向きな常備したい野菜

 ご紹介するのは家にあるとなにかと便利な野菜です。これらを3つのカテゴリーに分けておすすめの保存方法、冷凍保存、解凍方法を紹介していきます!  今回はそのままだと場所はとるけれど、あると便利な野菜からキャベツ、かぼちゃ、大根の保存方法、調理保存、解凍方法をご紹介します!

1個は家に
常備したい野菜
場所はとるけど
便利な野菜
傷みやすいけど
栄養満点野菜
じゃがいも キャベツ もやし
にんじん かぼちゃ トマト
玉ねぎ 大根 しょうが

 

冷凍保存時にオススメの ” ブランチング “

 冷凍保存するときにおすすめの方法がブランチングです。野菜を料理に適した大きさにカットして、熱湯で短時間下ゆですることで色の変色や、触感なども良くなります。葉物野菜なら30秒~1分、ブロッコリーやインゲンなどの日の通りが早いものは1分未満。他の野菜は2、3分を目安にしてみてください。また、粗熱が残った状態で冷凍庫に入れると、庫内の温度が上がり不衛生な状態になるので、なるべく冷凍する際は粗熱を摂ることを意識しましょう。 

「ブランチング方法」
①食材は固めに茹でて水分をなるべくきってから袋に入れる。
②冷凍しておいたバットを取り出し、袋を上に載せます。(ラップを敷くとさらに衛生的です。)
 冷凍保存するときにあると便利なおすすめグッズはこちらの記事からご覧ください

栄養士が実践する「じゃがいも 人参 玉ねぎ」の保存方法をご紹介!

 

キャベツの保存方法

 キャベツの旬は春と秋冬です。春キャベツは水分を多く含み葉は柔らかく、千切りにして調味料と和えるだけでも美味しく食べられます!またキャベツは食物繊維とビタミンCが豊富なことでも有名ですが、切った部分から栄養素が抜けやすいため切った後に水に長時間浸すのはやめましょう。

キャベツの保存方法
冷蔵保存:2週間

▶「保存方法」
 ①1個丸ごとであればキャベツの芯を4面から包丁を差し込んで切り抜きます。 ②濡らして軽く絞ったキッチンペーパーを切り抜いた芯の部分に詰めます。 ③キッチンペーパーや新聞紙にくるんで冷蔵庫に入れます。(筆者は紙は巻かずに袋入れたりそのままラップで包んでいます!)
 【POINT】一気に使い切るのはなかなか厳しいキャベツですが、芯から水分を補給し、気温の低い状態を保つことによって長持ちさせることができます。丸ごと保存の時は1枚ずつ葉を剥いて使うのがおすすめです。芯に詰めたキッチンペーパーは使うたびに交換するとさらに長持ちします。

 

おすすめの加工、冷凍保存

冷凍保存:1カ月
冷蔵保存:3日(生は1日、塩もみは3日)

いや、丸ごとなんて保存できないよ」という方には冷凍保存がおすすめです。冷蔵保存したいときは塩もみをしてからの冷蔵がおすすめです! 塩もみの場合は熱殺菌したタッパー、瓶、保存用袋で保存しましょう。塩もみは冷蔵保存で3日以内には使い切りましょう。

▶「加工方法①:生」
 ①用途に合わせてキャベツを切ります。
 ②冷凍用保存袋に入れて空気を可能な限り抜いて冷凍庫で凍らせます。


▶加工方法②:塩もみ

 ①キャベツをお好きな切り方をして、ビニール袋に入れる。キャベツに対して1~2%の塩を入れて袋の外からよく揉みます。
 ②全体に塩がいきわたって、キャベツがしんなりしてきたら完成です。
 ③冷凍の場合は冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、チャックをしっかりと締めて冷凍庫へ保存しましょう。
 ④冷蔵の場合は、保存用袋、または熱消毒したタッパーに入れて冷蔵庫に入れましょう。
 【POINT】冷蔵の場合、塩の代わりに塩昆布を入れて揉んだり、塩と一緒に鰹節を入れれば簡単に副菜がストックできますよ。

解凍方法

 使う前は冷蔵庫で自然解凍し、塩もみの塩気が気になる人は流水にさっとさらしましょう。電子レンジの使用は失敗しやすいのであまりおすすめはしません。ざく切りにした冷凍キャベツであれば水からお鍋に入れて、お味噌汁に入れるのがおすすめです!シャキシャキ感も残って美味しいですよ!

かぼちゃの保存方法

 かぼちゃは食物繊維も豊富で、β-カロテン、ビタミンE、ビタミンCも豊富な万能選手です。また、かぼちゃの皮は固くて色も悪くなっていることがあり、削られがちですが、実は栄養素は皮にも豊富に含まれているんです。なるべく皮も使うと栄養価は◎!

かぼちゃの保存方法
丸ごとなら冷暗所保存:2~3か月
1/2、1/4カットは冷蔵保存:1週間


「1個丸ごと保存」
 ①かぼちゃの表面をよく水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭きとります。
 ②新聞紙で包みます。
 ③湿気が多いと表面にカビが出やすいので、風通しの良い冷暗所で小分けにするまで保存しましょう。

▶「カットしての方法」

 ①カットされたかぼちゃから種とワタをスプーンなどで取り除きます。
 ②かぼちゃの切り口とくぼんだ部分にも空気が当たらないように、ラップをピタッとかけます。
 ③そのまま冷蔵庫で保存しましょう。
 【POINT】かぼちゃは丸ごと買う機会はあまりないと思います。1/2カットや1/4カットされて小分け売りされているものを購入した場合は種とワタからカビがでやすいので、買ってきたらすぐに取り除いて保存しましょう。

 

おすすめの冷凍保存

冷凍保存:1カ月 
 かぼちゃは切るのが大変ですが、まとめて作業して保存すれば忙しい日もすぐに使えるので時短を目指す方、かぼちゃ好きな方はぜひ試してみてください。 

▶「加工方法」
 ①好みの大きさに切ったかぼちゃを電子レンジで加熱します。
 ②かぼちゃが冷めたら冷凍保存用の袋に入れて、冷凍庫に入れます。
 【POINT】マッシュした状態で保存すれば、自然解凍してそのままパンプキンサラダにしたり、牛乳や生クリームと合わせればポタージュスープも簡単に作れますよ!

 

解凍方法

 小分けに切ったかぼちゃは凍ったまま煮物やスープ類に入れても◎。マッシュしたかぼちゃは前日から冷蔵庫で自然解凍するか、急ぎの時は電子レンジで解凍がおすすめです。しっかりラップをするか耐熱の冷凍用袋に入れて保存すると簡単に解凍できますよ。おすすめの冷凍保存袋はこちらの記事後半で紹介しています。

栄養士が実践する「じゃがいも 人参 玉ねぎ」の保存方法をご紹介!

 

大根の保存方法

 大根は1年中見かけますが、冬が旬の野菜です。生でも食べられる上、大根には消化酵素も含まれているので、胃腸の働きをサポートしてくれる効果が期待できます。

▶大根に含まれる消化酵素
 ▼アミラーゼ-でんぷんの分解を助ける酵素。年末年始の食べ過ぎに持ってこいです。
 ▼プロテアーゼ-たんぱく質を分解する酵素。大根おろしと生肉を合わせておけば触感も柔らかくなります。
 ▼リパーゼ-脂肪の分解を助ける酵素。肉汁たっぷりのハンバーグに大根おろしは◎。

 また、葉は緑黄色野菜に分類されており、カルシウムの含有量は野菜の中でも上位になるほど、その他にも鉄、葉酸、β-カロテン、ビタミンEも豊富な部位なので見かけたら捨ててしまわずに調理に活かしてみてくださいね!

 

大根の保存方法
冷蔵保存:2週間

 ①葉が付いているものは根元から葉を切り落とし、保存しやすい長さにカットします。 
 ②切った断面は空気が当たらないようにラップで包みます。
 ③土に埋まっている向きと同じ向きで冷蔵保存すると長持ちします。
 ※葉はみじん切りにして常温であればすぐに使いましょう。またはみじん切りにし、油と炒めながらちりめんじゃこと混ぜ醤油などで味付けしたものを、薬味として豆腐に使うのもおすすめです。調理したものは冷蔵して3日以内には使いきりましょう。

 【POINT】大根は丸ごと買っても、そのままだと場所をとってしまいます。水分も多いので常温ではなく冷蔵庫に入るサイズにカットして冷蔵、冷凍保存がおすすめです。

 

おすすめの冷凍保存

▶冷凍保存:1カ月

▶大根おろし
①大根を適量すりおろしたものを水分は切らずに冷凍用保存袋にいれて空気を抜きます。
②板状で冷凍すると場所もとらないのでおすすめですよ。

▶カット保存
①大根を好きな形にカットします。
②浸る程度のお湯で固めに茹で、さめてから冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に入れましょう。

【POINT】大根を冷凍すれば汁物に簡単に野菜を足せます。一方で、酵素は温度変化に弱いため、冷凍したときはあまり効果は期待しないでおきましょう。冷凍保存と冷蔵保存両方のメリットを生かして活用してきましょう。

 

解凍方法

 カット保存は凍ったまま煮物やスープ類に入れるのがおすすめです。大根おろしの場合、自然解凍してから水分を好みの量に調整しましょう。

 

まとめ 

 キャベツ、かぼちゃ、大根は冷凍食品や加工された状態での販売も豊富な野菜です。生の野菜は酵素やフレッシュさなどの利点はありますが、生にこだわり過ぎずにまずは栄養をしっかり摂れるものを選んでみてください。今回の保存方法も、ぜひ自分にあった保存方法、加工食品を選ぶ際の参考にされてみてください。 
 今回紹介した野菜は旬で触感なども変わってきます。それぞれを上手く活用して毎日の食卓を彩っていきましょう。

その他の野菜や食材の保存方法はこちらから

栄養士が実践する「じゃがいも 人参 玉ねぎ」の保存方法をご紹介!

栄養士が実践する「もやし トマト しょうが」の保存方法をご紹介!

 生野菜も良さそうだけど、やっぱり忙しくてもっと時短したいという方にはこちらの記事もおすすめです!

冷凍野菜のコスパはいいのか?栄養士が徹底的に比較してみました!

 

監修:管理栄養士 岡部 遥

TOPページに戻る

4+