更新日:2021年1月26日
風邪の始まりは鼻、のど、熱、お腹とさまざまですが、風邪の9割はウイルスが体内に入ったことによって起きます。防ぐためには手洗い、うがい、マスク、こまめな除菌、免疫力の向上などの対策が重要です。
一方で、風邪にかかってしまった後は、症状が出てからでないと正しい対処法を見つけることができません。今回はそんな風邪の食べ物での症状別対処法をチェックしていきます。
ウイルスが体内に入った際に活躍する免疫機能についてはこちらの記事がおすすめです。
これさえ読めばわかる「免疫力 とは?」の疑問を分かりやすく解説!
そもそも風邪とは?
風邪とは「風邪初稿群」とも呼ばれ、鼻やのどなどの気道に炎症が起きることの総称です。
年齢、性別関係なく多くの人が発症し、その原因は9割がウイルスと言われています。ウイルスが入り込む感染経路を通してでは、身体の防衛反応や自浄作用が働き、くしゃみや咳などの症状が起きます。
一方で、これらの風邪症状から飛び散った飛沫からの空気感染、接触感染が原因となり感染は広がります。
それではここから「のど」「発熱」「鼻水」「腹痛」などの風邪症状別の原因・対策をチェックしていきましょう。
( ※追記:レンコンに含有されるムチンの表記について訂正いたしました。2020年8月20日)
のどからくる風邪
予防のためにマスクやうがいを徹底していても、乾燥や職場や家族などからうつってしまいがちなのど風邪。至近距離で接する人が感染しやすく、その入口となりやすいのが「のど」です。
のど風邪は声が出しづらかったり、食事も味を感じられず、飲み込みづらいなどの不快感も感じやすい症状が多く出ます。そんなのど風邪の原因には、以下の3つが原因として考えられます。まずは、これらの対策をチェックしてみましょう!
▶「感染」とは
ウイルスや細菌はのどの粘膜に付着することで起きる感染。
▶対策:まずは、外で人と会ったり、出かけるときに洗っていない手で顔や口周りを触れないようにしましょう。髪の毛やスマホ、つり革や手すりなど、使わなければならないタイミングでは使い、顔に触れる際は手洗いや消毒をしてから触れるようにしましょう。帰宅後の手洗いうがいの習慣が最もおすすめです。
▶「粘膜の乾燥」
口呼吸やカラオケなどで大声をあげるなどの長時間の酷使による乾燥。
▶対策:粘膜の原因には乾燥が一つの原因として挙げられます。特に寝ている間の口呼吸や、外と室内での気温差による乾燥でのどがダメージを負うことも。気温差の激しい場所に移るときは急な寒暖差に対応するためにマスクや首元をストールで巻くこともお勧めです。口呼吸をしてしまう方は、普段から鼻呼吸を心がけ、寝る時は涼しい部屋で口元だけマスクで覆うのもおすすめです。
▶「のどへの刺激」
タバコや刺激の強い香辛料などによりのどがうける刺激。
▶対策:テレワークなどが続くとなかなか大きな声を出す機会がないことも。何事も強い刺激は良くないので、突然激辛料理を食べたり、大声を上げるなどの行為は、のどのダメージになりかねません。自粛期間は身体の健康を保つためにも強い刺激、急な激しい運動などは控えることをお勧めします。
のどからくる風邪の対処法とおすすめ栄養素レシピ
のどの乾燥を感じた時はこれ以上の乾燥を防ぐためにマスクをして、口呼吸をなるべく控えましょう。また、歯磨きやマウスウォッシュなどで口の中を清潔に保つこともお勧めです。
のどが痛み、飲み込むのが辛いときは、あたたかいお粥を。鶏肉に含まれるたんぱく質は、ウイルスなどと戦う免疫力を向上させます。
[ 材料(2人分)]
ごはん 茶碗2杯分 ★鶏ガラスープの素 小さじ1/2
水 900cc ★醤油 小さじ1/2
しょうが 1かけ ★塩 少々
鶏むね肉 60g ★ごま油少々
酒 小さじ1
塩 ひとつまみ
葱 適量
[作り方]
①鍋に水900㏄を入れ、沸騰させる。生姜をみじん切りにする。鶏むね肉は細切りにし、酒、塩をまぶす。ねぎは小口切りにする。
②沸騰したら、ごはんを入れ、2~3分ほど中火で加熱。
③鶏肉、生姜を入れて15分ほど好きなやわらかさまで煮る。最後に★を加え、味を整え、お好みでねぎを散らす。
熱からくる風邪
風邪をひいたときの発熱は体温を上げることでウイルスを不活化させ、免疫細胞が活発化するのを助けるという、人間の防衛反応です。逆を言えば、熱が上がった時点ですでにウイルスは体内に侵入しています。
熱があるときは、激しい運動などは控えて回復に専念することをおすすめします。
【発熱時の対策】
①発熱後は安静にする。激しい運動はしない。
②急な発熱、頭痛、吐き気などを感じた時は、熱中症の可能性も。わきの下やひざ裏などの太い血管が流れているところを冷やしましょう。
③体温調節をするのには水分は欠かせません。喉が渇いていなくてもこまめに水分補給を行いましょう。
熱中症の詳しい症状・対策はこちらをご覧ください。
熱からくる風邪の対処法とおすすめ栄養素レシピ
熱があるときは脱水症状になりやすいため、こまめな水分補給を心がけましょう。汗が不快な時は汗を流す程度にぬるま湯のお風呂に浸るのがおすすめです。身体を拭いたタオルや着替えなどの洗濯物はウイルスの付着も考えられるため、他の衣類と別にすることで二次感染を防げます。
そんな身体が弱っているときにおすすめな副菜をご紹介します。ほうれん草は葉酸や鉄分が豊富で、全身に酸素を運ぶ赤血球の増産に役立ちます。赤血球によって身体のめぐりが良くなると、ウイルスや原因菌が身体の中に入った時に戦うための免疫力を整えることができます。
[ 材料(2人分)]
ほうれん草 1束 ★すりごま(白または黒) 大さじ5
★みりん 大さじ1
★しょうゆ 小さじ1
★砂糖 小さじ1
[作り方]
① ほうれん草をよく洗い、沸騰したお湯に茎から入れ、30秒待った後にすべてお湯に浸して1分30秒ほど茹でる。
② 茹でたほうれん草を流水や氷水で冷まし、水気をよく絞り、食べやすい大きさに切る。
③ ②に★の調味料を入れる。混ぜて完成。
鼻からくる風邪の特徴
鼻風邪は原因となるウイルスが鼻に入り粘膜に付着することで感染します。
この時ウイルスの侵入を防ぐのが鼻水や鼻毛です。その他にもウイルスを体外に排出する機能がくしゃみ、鼻づまりです。鼻毛が気になる方でも、健康面から考えると切りすぎには注意してみることをおすすめします。
くしゃみや、鼻詰まりは風邪の初期症状として思われがちですが、これらの機能は身体がウイルスを体外に排出しようとする防御反応でもあります。初期症状を感じたときは早めの対策で早期の回復を目指しましょう。
鼻からくる風邪の対処法とおすすめ栄養素レシピ
鼻をかむときは両鼻で一気にかんでしまうと鼻の奥で圧力が上がり、鼻水が耳に流れてしまいます。鼻は片鼻ずつやさしく息をはいてかむようにしましょう。
おすすめのレシピでは1年を通して手に入りやすい「にんじん」で粘膜を強く、健やかにするレシピをご紹介します。にんじんに豊富に含まれるビタミンA(β-カロテン)は粘膜や皮膚の健康維持に役立ちます。
[材料(2人分)]
にんじん 2本 ★酢 大さじ5
塩 少々 ★オリーブオイル 大さじ2
★砂糖 大匙1/2
★こしょう 少々
[作り方]
①にんじんを洗い、皮をむく。千切りにし、塩少々もみこんで、しんなりさせる。
②①に★を加えて30分~2時間ほど置く。
お腹からくる風邪
お腹からくる風邪は鼻や喉と同じく、ウイルスが原因です。ただ場所が胃腸であるため「胃腸炎」と区分されます。胃腸炎と普通の風邪との違いは症状から見分けることが可能です。
▶普通の風邪
発熱・鼻みず・鼻づまり、せき・たん…等
▶お腹からくる風邪
腹痛や下痢、吐き気・おう吐、食欲不振…等
胃腸炎を疑った時はこちらを参考にしてみてください。また感染性胃腸炎は流行しやすいため調子が悪いと感じた際は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
お腹からくる風邪 対処法とおすすめ栄養素レシピ
熱からくる風邪同様、水分をこまめに摂取しましょう。胃腸炎は回復にするにつれて下痢などの症状が出やすく、脱水症状になりやすくなります。また菌が活発化しないようになるべく常温か温かい飲み物を摂ることをおすすめします。
れんこんに多く含まれる食物繊維は腸を整えてくれるため、胃にやさしい食材です。れんこんと調味料のみで作れるれんこんのきんぴらを紹介します。固形物が厳しい時はれんこんのすりおろしもおすすめです!
[ 材料(2人分)]
れんこん 150g 白ごま(好みで)
サラダ油 小さじ1
★砂糖 小さじ1(あれば)
★しょうゆ 小さじ1
★酒 大さじ1
★みりん 大さじ1
★鷹の爪(好みで)
[作り方]
①れんこんの皮を向いて、水にひたす。
②れんこんをサラダ油で炒め、火が通ったら★を入れてこってりするまで炒める。あれば最後に白ごまをふりかける。
風邪対策には「保湿・水分・栄養」補給を!
鼻とのどから風邪をひきやすい方は粘膜が乾燥しないように、マスクでの保湿を心がけましょう。マスクがない時はタオルや布団を口元にかけるだけでもおすすめですよ。体質的にのどが乾燥しやすい方は飴やタブレットで唾液の分泌量を増やすのもおすすめです。
喉風邪のリスクを高めやすい口呼吸が習慣化している方は日中はマスクを。就寝時は口元をマスクや保湿効果もあるシルク布製品で咥内が乾燥しないようにしましょう。風邪をひいてしまった時は、なるべく手間をかけずに料理したいですよね。電子レンジですぐできる栄養満点のレシピは下記の記事でも紹介しています!
電子レンジで「失敗しないレシピ」(初級編)!集めて作ってみました!
コロナ禍で免疫機能面で大注目のビタミンDの機能と感染症との関連情報盛りだくさんのこちらの記事も見てみてくださいね!
監修:管理栄養士 岡部 遥
参考文献:
1.厚生労働省 「インフルエンザ総合ページ」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html (2020年8月1日)
2.大正製薬 「今さら人に聞けない「かぜ」の○○」https://brand.taisho.co.jp/pabron/mechanism/ (2020年8月1日)
3.MSD マニュアル家庭版 「かぜ(感冒)」https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/16-%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87/%E5%91%BC%E5%90%B8%E5%99%A8%E7%B3%BB%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9/%E3%81%8B%E3%81%9C-%E6%84%9F%E5%86%92 (2020年8月1日)
玄米と和食が好きな栄養士。2019年にドリコスへ参画。阪急やそごう・西武などの大手百貨店でオーダーメイドサプリメントサーバー販売会を実施。食生活のアドバイスも交えた接客を約300名以上に行う。生活の中でふとした時に湧いてくる疑問について投稿していきます。