乳酸菌には大きく分けると、生きた状態のものと、死んだ状態のものがあります。乳酸菌は熱に弱く、多くは加熱で死んだ状態の「死菌」となります。そんな乳酸菌の死菌と生きて腸に届く菌にはどんな違いがあるのでしょうか? その違いを確認してみましょう!

 

 

乳酸菌は生きているのが良いの?

 生きた乳酸菌と死んだ乳酸菌の大きな違いは、腸内の滞在時間だと言われています。死んだ乳酸菌は、腸に留まらずに他の食材と合わせて排出されてしまいます。ただ、生きた乳酸菌は死んだ乳酸菌に比べて、ゆっくりと腸を通り、腸内を酸性に傾けることで、善玉菌が増えやすい腸内環境を作るサポートをすると言われています。※1

 一方で、生きた乳酸菌も腸に留まり続けるわけではありません。腸内の健康状態を左右する「腸内フローラ」は、すでに常在している腸内細菌たちで構成されているため、乳酸菌は腸内細菌に影響を与えても、留まって住みつくことはないと言われています。※1

生菌(生きた乳酸菌) 死菌(死んだ乳酸菌)
・腸をゆっくりと通過する

・生きたまま腸に届くのは難しい

・熱や胃酸に弱い

・胃酸で分解されても腸内で善玉菌の餌になる


・生菌独特の健康効果もあります
・腸には留まりづらい

・熱や胃酸の影響を受けにくい

・菌の種類によって効果が違う

・死んだものほどメリットがある乳酸菌もある



死んだ乳酸菌「死菌」はどう働くの?

 「死菌」の効果は主に以下の4つが挙げられます。

 

腸内環境を整え、免疫力をUP

 免疫力を高める乳酸菌の働きには、外から侵入した敵の増殖を防ぐ免疫細胞のNK(ナチュラルキラー細胞)を活性化させることです。(乳酸菌の種類によって効果は異なります。) ウイルスを攻撃するため、インフルエンザの対策としても注目されています。※7

▶主な乳酸菌とその製品

1073R-1乳酸菌:明治「R-1ヨーグルト」

 

ダイエット効果

 乳酸菌のひとつであるビフィズス菌は肥満を予防する働きがあると言われています。太りにくい人の腸内にはビフィズス菌が多く存在するという報告もあります。ダイエット中の方には、こまめな摂取で腸内環境を整えることがおすすめです。※7

▶主な乳酸菌とその製品

ビフィズス菌BB536:森永乳業「ビヒダスヨーグルトBB536」

 

腸内環境を整え、美容効果

 腸内細菌のバランスが乱れ、悪玉菌が増えると便秘になりやすくなり、疲労や老化の原因である活性酸素が増えやすくなることから、肌の生まれ変わりにも影響が出やすくなります。

 乳酸菌は悪玉菌の効果を抑える、善玉菌のエサとなるため肌トラブルを抑えることに繋がります。※7

▶主な乳酸菌とその製品
 BE80菌を中心に厳選した5種の菌を配合したヨーグルト。

DANONE「DANONE BIO プレーン・砂糖不使用タイプ」 4個セットタイプ

 

疲労回復効果

 小腸周りでは多くの免疫細胞が生まれます。そのため、腸内環境が乱れると免疫力がおち、疲労を感じた時に体調を崩しやすいかったり、疲れが溜まりやすいと感じることが多くなるかもしれません。

 善玉菌を増やす、乳酸菌をこまめに摂ることによって、疲れに負けない体つくりをしていきましょう!※7

▶主な乳酸菌とその製品

プラズマ乳酸菌:キリン「IMUSE(イミューズ) 水 500ml (ペットボトル)」

プラズマ乳酸菌とは?「効果・おすすめの商品」をまとめて紹介!

 味噌やヨーグルトなどに含まれる生きた乳酸菌でも、食事から摂っても胃酸や胆汁酸によって、多くは死菌となります。そのため乳酸菌の健康効果は生きているかどうかよりも、小まめに摂ることが重要になってきます。

編集部K
編集部K

今回も、整体院で聞いてきた腸活向きの運動を紹介します!

 

乳酸菌はいつ・どれぐらい摂ればいいの?

 ヨーグルトは1日に200g摂ることがおすすめです。摂るタイミングは朝と夜の1日2回がおすすめです。朝は日中の腸内環境を整え、夜は疲れた身体をサポートします。朝に100g、夜に100g摂りましょう。※6

 腸内細菌の種類は食事の内容などで常に変化します。こまめに摂ることが重要です。また、自分にあった乳酸菌を摂ることで健康効果は変わるため、まずは1つの乳酸菌を1カ月食べて、経過を見てみることもおすすめします。

 乳製品が苦手な方は、サプリメントなどでとることもおすすめです。乳酸菌は、さまざまな食材から摂ることができるため、自分にあった乳酸菌を選んでいきましょう!

 自分にあった乳酸菌の選び方はこちらから!

乳酸菌商品の正しい選び方「自分の腸にあった機能・効果の選び方」

編集部H
編集部H

私はこの記事を書きながら、目を労わる風池(ふうち)のツボを良く押してます。

最後に

 乳酸菌の生菌と死菌の違いは、あまりなく、むしろ生菌で摂っても、特殊なカプセル状に入ったもので摂らない限りは、胃酸や胆汁酸で乳酸菌が死滅してしまいます。

 乳酸菌は生菌で摂ることによってメリットもありますが、死菌でも十分に免疫力をUPし、腸内環境を支えてくれます。乳酸菌の効果を得るためには、こまめに摂ることがもっとも重要です。効率よく摂るにはサプリメントで、毎日こまめに摂ることが重要です! 

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監修: 岡部遥
管理栄養士。NRサプリメントアドバイザー。 栄養教諭一種免許状取得。特別養護老人ホーム勤務後、ドリコス株式会社でオーダーメイドサプリメント抽出のアルゴリズム制作、栄養情報の配信を担当。

参考文献

※1 ハウス食品グループ本社株式会社「毎日摂った方がよい?生きていなくても効果あり?「乳酸菌」Q&A」 https://housefoods-group.com/activity/e-mag/magazine/68.html#:~:text=%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%BE%E3%81%AE%E4%B9%B3%E9%85%B8%E8%8F%8C,%E6%B3%A8%E7%9B%AE%E3%82%92%E9%9B%86%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

※2 明治ホールディングス株式会社「R-1ヨーグルト」 https://www.meiji.co.jp/dairies/yogurt/meiji-r1/

※3 森永乳業「ビヒダスヨーグルトBB536」 https://bifidus.jp/

※4 DANONE「DANONE BIO プレーン・砂糖不使用タイプ」 4個セットタイプ https://www.danone.co.jp/bio/lineup/plain_nonsugar/

※5 キリン「IMUSE(イミューズ) 水 500ml (ペットボトル)」 https://www.imuse-p.jp/product/

※6 明治ホールディングス株式会社 「美肌力をアップさせる、腸のゴールデンタイム」 https://www.meiji.co.jp/karadakaizen/know/entry015.html

※7 朝日新聞出版 中村丁次著 「もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク」 2018年6月10日 第8版発行

※8 厚生労働省 e-ヘルスネット 「腸内細菌と健康」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html

※9 厚生労働省 e-ヘルスネット 「乳酸菌(にゅうさんきん)」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html

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