前回記事では基礎体温の基本についてご紹介いたしましたが、今回は基礎体温を計測している方向けの高温期、低温期におすすめしたい、日中の過ごし方をご紹介してまいります。
普段は難しくても長期休暇や連休などに基礎体温を基準に生活することで今までに感じられなかった心地よさ、ダイエットなどの効果を感じられるかもしれません。ダイエットをしたい期間が生理と重なってしまった場合はこちらの記事から確認してみてくださいね。
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基礎体温とは
基礎体温とは、人間が活動し、生命を維持する上で必要とするもっとも少ないエネルギーで過ごしているときの体温をさします。
もっとも少ないエネルギーで過ごしているときというのは、朝目が覚めて、身体を動かしていない状態をさします。人間の体温は筋肉や食事を摂ることでも体温が上がるため、純粋な基礎体温を測るためには、毎朝、同じ時間に起床し、基礎体温を測る必要があります。
詳しい基礎体温の計測方法はこちらをご覧ください。
基礎体温でセルフケア!低温期・高温期の基本をまとめました
▶高温期と低温期
基礎体温には「高温期」と「低温期」と呼ばれる期間があります。
▼高温期とは
まず高温期とは、エストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモンによって、卵巣で卵子が成長するように促され、排卵がおきます。その後、身体は妊娠できるように体温が上がっていきます。ここから月経までの期間が高温期と呼ばれています。
▼低温期とは
低温期とは、月経が起きてから再度エストロゲンの分泌量が増え、排卵が起きるまでの期間をさします。この期間の中でも卵胞期と呼ばれる卵巣内で卵子が成長する期間は、女性にとってもっとも過ごしやすい時期と言われています。
高温期は排卵が起きてから約14日間ほど続き、低温期は月経が起きてから約14日間ほど続きます。日数に個人差はありますが、通常は図のように基礎体温はホルモンバランスがかわることによって、体温が2層になります。
月経不順などの症状がある方は、高温期と低温期の2層が乱れている可能性があります。気になる場合は、婦人科などを受診することをおすすめします。
基礎体温の違いに合わせた過ごし方
風邪を引いたときにおすすめの食材や栄養素があるように、弊社が運営するhealthServerやfemServerでは、基礎体温を測ることによって、高温期と低温期の過ごし方はもちろん、摂るべき栄養素も少しずつ異なると考えています。
今回は、高温期と低温期におすすめの過ごし方をチェックしてみましょう!ホルモンバランスによって摂るべき栄養素がいかに変わるのかについては、こちらの記事をご覧ください。
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低温期の過ごし方
まずは、月経後から排卵まで続く低温期についてご紹介します。
▶月経期間「生理期間中はカラダを労わりましょう」
生理前から生理痛などがひどい方やそうでない方も、生理の際はカラダは低温期で冷えやすく、むくみや、貧血などの不調を感じやすい時期です。
この時期はカラダを温めるための暖かい飲み物や、冬場はカイロや湯たんぽなどで下腹部や腰の上部分、腎臓のあたりをよく温めてリラックスして過ごしましょう。月経期の悩みやあたためて和らげる温活レシピについてはこちらから
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▶卵胞期「女性のゴールデンタイム!好きなことをして過ごそう!」
生理が終わった後は女性にとって最も調子が良いとされる期間です。ダイエットをされている方はこの期間から始めてみましょう。ジムやワークアウトの時間を積極的にとったり、仕事に集中する期間としてもおすすめです。
卵胞期の過ごし方、また卵胞期に大きく関わるエストロゲンと食材の関係についてはこちらから。女性の健康に大きく関わり、たくさんの方に読んでいただいている記事です。
「卵胞期の過ごし方」女性ホルモンと内側から向き合う方法
高温期の過ごし方
▶排卵期「リラックスして身体には休息を」
排卵を促すホルモンのプロゲステロンが活発になり始め、排卵が起きると身体は高温期移行します。排卵時の排卵痛や、むくみ、便秘などの症状がこの時期出やすくなってきます。
肌も外からの影響を受けやすくなってくるので湯舟につかりながらパックをしたり、お気に入りのドリンクを片手に自分をケアする時間をとりはじめましょう。胃や腸に優しい飲み物はこちらで紹介しています。
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▶黄体期「繊細な時期、自分にはとことんやさしくしよう」
女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌量がピークとなり、生理前の不調、PMS、胸の張りや肩こりなどの不調が現れやすくなります。
また精神的にはイライラして人に当たりやすくなったり、そんな自分に落ち込んだりとナイーブになりがちです。そんな時はとことん自分にやさしく、カラダ第一に夏でも常温の飲み物や暖かい飲み物を飲むのが◎。ゆっくり休みたい時はノンカフェインのお茶などがおすすめです。ニキビなどの肌荒れが気になる時期でもあります。そんな時期の向き合い方についてはこちらの記事へ
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おすすめの過ごし方
高温期、低温期ごとの過ごし方について見てきましたが、全体をとおして意識できる点は多々あります。今回は編集部が実践する過ごし方についてもご紹介します。
自律神経を整える
自律神経は身体(主に筋肉)を動かすために必要な末梢神経とは別に、臓器や身体に衝撃などがあった時に反射的に反応する神経です。最近では、自律神経の乱れによる体調不良なども多く聞かれるようになりましたが、自律神経は自分では調整できない神経なので、普段の過ごし方が重要になってきます。
▼交感神経と副交感神経
自律神経には2つに分かれています。活動しているときに活発になる交感神経と、休息時に活発になる副交感神経です。
女性ホルモンのバランスはストレスによっても影響が与えられやすいことが分かっています。このストレスに対抗するには、副交感神経と交感神経のバランスが重要になってきます。
自律神経を整える方法
副交感神経は就寝に向けて活発になりますが、就寝の直前まで仕事をしていたり、スマホやテレビから脳に情報が与えられていると、身体は活動状態であると勘違いして、交感神経が活発になりやすくなります。
就寝前は徐々に睡眠に向けて自律神経を整えるために、部屋の明かりを暗くしたり、スマホやテレビからは距離をおいて、38~40℃程度のぬるま湯のお風呂でゆっくりする時間を作ってみましょう。
リラックスするためのビタミン
女性にとって不調を感じやすいのは月経前から月経期間と言われています。この期間PMS(月経前症候群)などから、腹痛や頭痛、なかなか寝付けないなどの身体的な症状から、精神的に憂鬱になりやすい時期とも言われています。
そんな生理前からの症状にはビタミンB6がおすすめです。ビタミンB6は体内でリラックスしたときに分泌されるホルモン「セロトニン」や、同じくリラックスや睡眠に関わるホルモンの「GABA」を作るのに欠かせないビタミンです。
ビタミンB6を摂ることによって、確実に生理前から不調に作用するとは言い切れませんが、リラックスしたいと思ったときに身体にホルモンを作るための材料があるかないかは、1つ注目するべき点と言えるかもしれません。
▶ビタミンB6が豊富な食材
ビタミンB6はマグロやカツオなどの赤身の魚や、鮭や鯖などにも豊富に含まれています。
他にはサラダチキンの材料となる鶏むね肉や、豚肉や玄米、バナナにも多く含まれています。なかなかリラックスしにくい高温期や、気分が憂鬱となりやすい生理前に期間はこれらの食材を多く摂ってみることをおすすめします。不足しがちなビタミンB群は種類によって機能が異なります。下記の記事を読んで自分の悩みに合わせたビタミンB群を摂取していきましょう!
「2人に1人は不足」現代人が知るべきビタミンB群の機能一覧
基礎体温から見る新しい自分の生活スタイル
いかがでしたか?現代の女性が一生で経験する生理の回数は約400回以上と戦前の日本人女性と比較すると2倍以上の多さと言われています。食や生活が豊かになった証拠でもありますが、現代の女性こそホルモンバランスを味方に付たセルフケアが重要です。
基礎体温に合わせて自分から身体に寄り添うことで、普段の生活がより一層過ごしやすいものになるかもしれません。セルフケアの一環として、まずは薬局で自分に合う体温計を探してみるところから始めてみましょう。基礎体温の測り方や大切なホルモンバランスについてはこちらの記事で解説しています。
基礎体温でセルフケア!低温期・高温期の基本をまとめました
監修:管理栄養士 岡部 遥
参考文献
※サプリメント健康辞典 一般社団法人日本サプリメント協会 (2015年12月9日 第1版発行)
※公益財団法人 日本産科婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13 (2020年10月31日 更新確認)
※TERUMO 基礎体温でカラダと話そう https://www.terumo-womens-health.jp/trouble/3_1.html (2020年10月31日 更新確認)
※母性看護学Ⅱマタニティサイクル,南江堂,2012(大平光子,井上尚美編)
玄米と和食が好きな栄養士。2019年にドリコスへ参画。阪急やそごう・西武などの大手百貨店でオーダーメイドサプリメントサーバー販売会を実施。食生活のアドバイスも交えた接客を約300名以上に行う。生活の中でふとした時に湧いてくる疑問について投稿していきます。