妊娠前にも一度は聞いたことがある悪阻(つわり)。
 妊娠初期から中期にかけて見られる症状で、初めての出産ではとくに、生活がどれだけ変化するのか、仕事が続けられるのか、などの不安も感じやすい時期と重なります。
 今回は出産経験のあるママ22人にご協力いただき、先輩ママたちは悪阻と仕事、家事をどうやって両立していたのか、具体的な症状から食べていたものなどをまとめてご紹介していきます。
 実際に食べていた「つわり食」ランキングや、生活環境ごとの集計結果はこちらの記事をご覧ください。
☞「つわりの食事」先輩ママは何を食べていたの?アンケート結果からまとめました!

悪阻とは

 悪阻(つわり)は「おそ」とも呼ばれ、匂いに敏感になったり、食べたものを吐いてしまうといったイメージがあるかと思いますが、厚生労働省が委託する、母性健康管理サイトではこのように紹介しています。

「悪阻(つわり)とは…」
 悪阻は妊娠期の女性の身体の変化に合わせて起きる症状の1つで、症状は食欲不振、吐き気、嘔吐などが多く、特に強いにおいや換気不足、高温多湿、騒音などの作業環境や強い緊張を要する作業などによって悪化しやすいと言われています。
 また、頻回に嘔吐を繰り返すと、脱水、体重減少など妊娠悪阻へと重症化するので注意が必要とも言われています。個人差も大きく一口に正解と呼べる対応がないので、臨機応変な対応が望ましいのです。
参考文献:厚生労働省委託 母性健康管理サイト「母性健康管理に関する用語辞典」2020年6月29日

 悪阻症状の悪化には、ホルモンバランスの変化も関係していると言われていますが、詳しいことはまだ分かっておらず、これからの研究も着目していきたい分野です。

悪阻の種類 悪阻症状には臨機応変に対応するといっても、初めての出産は準備や心配事も多く、仕事をしている場合は、体調の変化や戸惑いも大きいのではないでしょうか。
 先輩ママたちへのアンケート結果では、大きく分けて悪阻は吐き悪阻、食べ悪阻、その他にもにおい悪阻、よだれ悪阻といった4種類に分けられるようです。1つずつ症状や経験されたママの声を見ていきましょう。

・吐き悪阻
・食べ悪阻
・におい悪阻
・よだれ悪阻 

吐き悪阻

 食べ物を食べているとき以外でも吐き気を感じる症状を「吐き悪阻」と言います。
 一般的に普及している悪阻のイメージに最も近いのが吐き悪阻のようです。今回のアンケートでも22人中、9人と約半数のママが吐き悪阻を経験したと回答しています。

吐き悪阻ママ①「水分も摂るのが難しく、なにも食べなくても吐いてしまっていた。休職後、自宅ではトイレに行きやすい場所で休んでいました。 (初産・出産時24歳) 」

 また4つの悪阻の中で、最も症状が重いと回答が集まったのがこの吐き悪阻でした。10人中9人が10段階※で悪阻のつらさを5以上。日常生活にも支障がでる症状と回答しています。中には食事の回数も1回とれればよいというママも。
 ※(10段階の内訳:1に近いほど日常生活に支障がない。5で吐き気や体調不良たまに支障が出る。10で何もできない、ごはんも食べられず、水分も難しく、点滴を受ける)

「吐き悪阻の期間」
 妊娠2~5か月までの期間が多くみられました。長いママだと、妊娠7カ月まで、出産まで続いたという場合も。

「食事の回数」
 症状が重いママの場合、少ないと1日1回。3食で済む人もいれば、食べられるものが見つかると量は少なくして、間食も入れて食事が6回以上になったというママも。

吐き悪阻ママ②「間食でこまめに食べたくても食べれず、朝、昼、夜と食べてたけどそのたびに吐いていた。匂いにも敏感になるので、食事は無臭のものを選んで食べていた。 (初産・出産時30歳) 」

吐き悪阻ママ
吐かない程度の量を見極めて、間食も含めると1日6食、食べていました。量はたくさん食べられないので大食い系のyoutuberを見て空腹感は紛らわしていました。」 (初産・出産時25歳)


【POINT】
 

 なかなか普段の生活で吐くという症状は続かないものなので、変化への戸惑いも大きいのが吐き悪阻です。症状を我慢せず、周りの理解と協力を得ることで、まずは気遣いなどによるさらなるストレス対策をしていきましょう。

食べ悪阻

 空腹になることで吐き気や気持ち悪さを感じるつわりの症状を、食べ悪阻といいます。 
 食べ悪阻は物を食べていないとむかつきや、気持ち悪さを感じるという方が多く、吐き悪阻とはまた違った症状を見せます。その他の症状としては「胃もたれ」なども上げられました。
 食事を摂ることで症状が治まる場合も多く、食べ悪阻のママの場合、小分けにされた食べ物を持ち歩くのがおすすめです。

「吐き悪阻の期間」
 ほとんどのママが妊娠2~5カ月までと回答。軽い症状は5カ月以降も続く人も多いようです。

「食事の回数」
 3回~6回と、普段の食事に間食する機会が増える分、回数も増えています。

食べ悪阻ママ①
 「職場では1口おにぎりや、冷蔵庫にカットフルーツを常備していました。 (初産・出産時29歳) 」

食べ悪阻双子ママ②
 「とにかく空腹がつらいので、寝起きにすぐ食べられるようにゼリーを常備。 (初産・出産時30歳) 」

【POINT】
 ママからすると、食べ過ぎによる体重の増加などが心配になりやすいのですが、食べ悪阻の期間は食べられるものを食べられるだけ食べるようにしましょう。

におい悪阻

 悪阻の症状の1つで、吐かないけれど匂いが気になるという方が22人中3人で、吐き気は感じるが吐かないという理由で、におい悪阻と回答された方が多くみられました。

「におい悪阻の期間」
ほとんどのママが妊娠2~5カ月までと回答。軽い症状は5カ月以降も続く方も多いようです。

「食事の回数」
 3回~6回と、普段の食事に間食する機会が増える分、回数も増える傾向にあるようです。

におい悪阻ママ①(初産・出産時27歳)
 「疲れていると悪化する。匂いに敏感になって、吐き気も感じるようになる。関係ないかもしれないけれど、味覚が妊娠前と変わってそれまで大好きだった、お肉やミルクティーが妊娠期間はNG食になってしまった」

におい悪阻ママ②(初産・出産時31歳)
 「ニンニクやキムチなどの匂いが特にキツイものがダメでした。他にはご飯は湯気やシャンプーの匂いも。悪阻がひどいときは部屋から出られず、常にマスクをしていた。」

【POINT】
 におい悪阻は悪阻症状の1つとして多くの人にみられますが、症状が重たい場合は、買物や、それまでは気づかなかったにおいにも敏感になるようです。とくにひどい人は室内でもマスクをして過ごすなど、敏感になったにおいに対する対策をしていたようです。

よだれ悪阻
 今回のアンケートで22人中、3名に見られた症状です。症状としてはヨダレが常に止まらなくなるのが特徴で、内2名は吐き悪阻の症状が見られることから、吐き悪阻の症状の1つとも考えられます。ヨダレが止まらないことと、吐き悪阻と同じような症状を感じる人も多いようです。


「よだれ悪阻の期間」
 ヨダレが特に止まらないのは妊娠2~7カ月、3~4カ月、2~5カ月、と妊娠初期から中期一杯まで続くママもいるようにバラつきが見られました。ただ軽い症状は5カ月以降も続くようです。

「食事の回数」
 朝、昼、夜と全員が1日3食の食事と回答しています。吐き悪阻と同様に感じている人は食事の回数も減らすこともあるようです。

 よだれ悪阻ママ①(初産・出産時30歳)
 「とにかく、ヨダレが止まらなくのがつらかった。吐き悪阻もあるため、食事も食べるたびに吐いていた。」

よだれ悪阻ママ②(初産・出産時30歳)
「ヨダレ、吐き悪阻が止まらず、動くときは気力で乗り切る。吐いたら食べるのはやめていた。味付けしてあるものよりも、そのままの味が感じられものを食べていた」

【POINT】
 よだれ悪阻は、「車酔いと似ている」というコメントもいただきましたが、体験された方以外には伝わりづらい悪阻の症状かもしれません。また吐き悪阻と症状が同時に出ていることから、食事がとりづらいことも。よだれを飲み込むのもつらい方が多いかと思いますが、食事は食べられるものを食べられるだけ摂るようにしましょう。

まとめ

 悪阻はいつ終わりが見えるか分からず、ストレスになりやすい分、先輩方の意見が支えになる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 次回は先輩ママたちが食べていた、悪阻の時の食材をご紹介していきます!

監修:管理栄養士 岡部 遥
調査実施期間:2020年6月16日~6月26日
調査方法および人数:社員ヒアリングによる20~40代出産経験者へのアンケート22人
☞「つわりの食事」先輩ママは何を食べていたの?アンケート結果からまとめました!

5+