医学の世界では日々様々な研究がなされています。
 
本日は、糖尿病等へのアプローチが期待される、褐色脂肪細胞BCAAに関係して「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された「Taking a BAT to the Chains of Diabetes(糖尿病の鎖に褐色脂肪組織で挑む)」 の研究結果についてお話しします!
 すでに褐色脂肪細胞とBCAAに関して記事をご覧になった方は褐色脂肪細胞およびBCAAの糖尿病との関わりは?からお読みください!

糖尿病とは?

 血糖値を下げるインスリンが十分に働かず、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなることで糖尿病になります。放置すると手足の痺れや失明、腎臓へのダメージによる生活の制限などが発生してしまいます。
 一般的に食事を摂ると血糖値が上昇しますが、健康な人は膵臓から出ているインスリンというホルモンによって、ブドウ糖を血液から体内に取り込み血糖値を一定にしてくれています。
 このインスリンが少なくなったり効きが悪くなることで血糖値が上昇し、糖尿病になってしまうのです。
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褐色脂肪細胞とは?

 脂肪細胞には2種類あり、エネルギーを貯める「白色脂肪細胞」と寒さに反応してエネルギーを消費する「褐色脂肪細胞」の2種類があります。褐色脂肪細胞は新生児に最も多く、成長するにつれて数は少なくなるとされています。
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BCAAとは?

 Branched Chain Amino Acidの略で、分岐鎖アミノ酸と呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシン3つのアミノ酸の総称です。
 人体で作ることができない必須アミノ酸で、筋肉の合成や分解に関わることから近年注目されています。
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褐色脂肪細胞およびBCAAの糖尿病との関わりは?

 褐色脂肪細胞は低気温(12℃以下)になることによって、エネルギーを生み出します。今回の研究では摂取したBCAAを褐色脂肪細胞でエネルギー代謝する際に、その効率が低下すると肥満やグルコース代謝異常、インスリン抵抗性が悪化したとされています。
 このことから褐色脂肪細胞でのBCAAの代謝が熱産生を行うだけでなく全身の血糖値の調整の要因となっていると考えられています。
 具体的な仕組みは解明されておりませんが、今後の糖尿病患者などの治療にこれらが役立つことが期待されています。
参考文献:ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン 「Taking a BAT to the Chains of Diabetes」 Zoltan Arany, M.D., Ph.D.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcibr1911353

 

褐色脂肪細胞の他の働きは?

 褐色脂肪細胞が活性化されることで脂肪を代謝し、熱を発生させることが分かっていますが、ダイエットだけではなく、メタボリックシンドロームの改善にも効果があると期待されています。
 加齢に伴い褐色脂肪細胞の数や活性が低下することも報告されていますが、糖尿病やメタボリックシンドロームへの新たなアプローチとして研究が進められています。

まとめ

 褐色脂肪細胞が糖尿病やメタボリックシンドロームの新たな治療アプローチとして期待されているということをご理解いただけたでしょうか?こうした最新の情報収集を毎日の生活に活かしたいものですね。
 Nutories編集部では最新の医学情報にもアンテナを張りながら様々な情報を発信してまいります。今後の投稿や関連記事も以下よりご紹介していますので、是非ご覧ください。

監修:管理栄養士 岡部 遥

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