働きながら妊活中
のあなたへおくる栄養素

妊活中の栄養素といえば葉酸や鉄が有名ですが、あなたはどんな栄養素を意識して摂っていますか?

栄養補給を意識して妊活中はマルチサプリメントを飲む方も多いと思いますが、日々の中で必要とされる栄養素は運動量や、食の好み、ストレスや睡眠の質など、毎日の生活環境によって変化します。

例えば、仕事が接客業の人と、と家事に専念しながら妊活している人では、日中に多く過ごす場所や、人と接する機会にも違いがあります。

一人ひとりにあった栄養素を知ることが、イキイキと過ごしながら妊活に取り組むことの近道になります。

「私が過ごす毎日」だからこそ、足りない栄養素が知りたい方は「栄養天気予報」もおすすめです。

1日の過ごし方によって、変わっていく必要な栄養素

気になる栄養素はタッチ!



・・・赤ちゃんのための栄養素
「朝」とるべき栄養素

炭水化物

 朝はこれからエネルギー代謝を上げていくために、エネルギーとして使われやすい炭水化物を燃料として摂るのがおすすめです。朝食は欠食するよりも食べることでエネルギーを使う効率が良くなります(食事誘発性熱産生 / DIT) 。
またエネルギーを補給せずに活動を始めると、身体を支えるタンパク質や身体機能を支えるホルモンの原料でもある脂質がエネルギーとして使用されてしまい、不足してしまうことも。摂り過ぎず、不足し過ぎない量を意識して炭水化物は摂っていきましょう。

葉酸

妊娠する2~3か月前から初期にかけて特に摂取することが厚生労働省からも勧められています。葉酸は胎児の脳や脊髄のもとになる神経管の発達に関わり、神経管は妊娠初期の数週間で形成されると言われています。
妊娠に気付きにくい時期に赤ちゃんが求めている栄養素のため、サプリメントなども幅広く商品化されています。水溶性のビタミンで身体に留めておくことができないため、1度に摂るよりも1日、数回に分けて摂ることをおすすめします。 

ビタミンB1

 朝に代謝をあげるために食べたごはんはもちろん、日中お菓子、ジュースなどに含まれる糖質を身体の中でエネルギーとして利用(代謝)する際に使われます。
間食や甘いものが好きでよく食べる場合、ビタミンB1が不足している可能性があります。ビタミンB1が不足すると糖質から効率よくエネルギーを作れなくなります。その結果、乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まりやすくなり、疲れやすくなることも。だるさが続くのはもしかするとビタミンB1が不足しているのかもしれません。

ビタミンD

 妊娠初期、ビタミンDは胎児の脳や脊髄を作るのに欠かせないビタミンです。
ビタミンDは日中、紫外線を浴びることによって生成されますが、紫外線対策を入念にしていると、不足することも。晴れた日は両腕を出して15分ほど日光に当たってみてください。
シミ対策やアレルギーなどで紫外線や、日光を避けている方は食品から積極的に摂りましょう。食品では鮭やニシンなど脂身の多い魚や、キノコ類にも多く含まれています。少し意識するだけで推奨量が補えるビタミンなので、朝のエネルギー摂取と合わせた摂取をおすすめします。簡単に摂れるものでは、キノコ類の佃煮、しらす、鮭フレークなどもおすすめです。朝が難しい場合は、夜に脂身の多い魚介類を主菜にしてみましょう。
仕事に追われていても身体の資本は食事から
まず朝ごはんから3食のバランスを整えましょう。
「昼」とるべき栄養素

タンパク質

 身体の8割を占めるタンパク質。赤ちゃんの体つくりにはもちろん、お母さんが赤ちゃんに栄養を運ぶ血管や赤ちゃんを支える子宮の筋肉や細胞もタンパク質でできています。
そんなタンパク質を効率よくとるためには身体の中で作れない必須アミノ酸を意識して摂ることをおすすめします。必須アミノ酸は卵や、肉類、魚類に多く含まれています。豆腐などの大豆製品は火を通さなくても気軽に摂れるため、忙しい日にはバランスよく摂ってみましょう。
1日に必要なタンパク質は約50gでサラダチキン2個分。1日の中でも消化がしっかりとできるお昼は積極的にタンパク質を摂るのがおすすめです。

イソフラボン

 イソフラボンは排卵前後に増える女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」に似た働きをすることで知られています。エストロゲンは妊娠に向けて卵巣内の卵胞を成熟させて卵子を育てる働きをサポートします。
また排卵にに向けて子宮内膜を厚くし、受精卵の着床を準備するためにも欠かせないホルモンです。繊細な女性ホルモンはストレスや環境などにも影響をうけやすいため、イソフラボンでカバーしてみましょう!

ビタミンB6

 タンパク質をエネルギーとして代謝する際に使われるため、日頃タンパク質を多く摂りがちな方にはおすすめの栄養素です。妊活を意識する際は身体の中で活性化した葉酸の代謝にも関わってくるので合わせて摂りたいビタミンでもあります。
また、女性ホルモンが乱れることによっておこる月経前症候群(PMS)のイライラや腰痛などを軽減することも期待できます。ビタミンB6はタンパク質を分解もしますが、合成するのにも欠かせないので、皮膚や髪を若々しく保ちたいという方にはおすすめなビタミンです。

ビタミンC

 体の中でタンパク質と結合し、コラーゲンを生成するときに使用されます。コラーゲンは肌のうるおいだけでなく、細胞と細胞の間をつなぐ接着剤のような役割もしています。
また、ストレスを感じた時に分泌される抗ストレスホルモンを作るときにも使われるため、仕事と家事と妊活と...ストレスや疲れを多く感じている方にはぜひ積極的にとっていただきたいビタミンです。
受動喫煙や喫煙される機会が多い場合は、体内で大量に消費されてしまうためより意識していただくことをおすすめします。
お昼は消化に時間がかかるタンパク質を多めに摂ってみましょう。
大豆製品は女性のホルモンバランスをサポートするのでおすすめです。
「夜」とるべき栄養素

葉酸

 妊娠する2~3か月前から初期にかけて特に摂取することが厚生労働省からも勧められています。葉酸は胎児の脳や脊髄のもとになる神経管の発達に関わり、神経管は妊娠初期の数週間で形成されると言われています。
妊娠に気付いていないときも赤ちゃんが求めている栄養素なのでサプリメントなども幅広く商品化されています。タンパク質の合成にも関わるので、ストレスで肌荒れ気味の方にもおすすめの栄養素です。 

ビタミンE

 ビタミンEは細胞膜や血管を柔らかく保つ働きがあり、この働きによって血行促進が期待できます。オフィスや電車の冷房や、パソコンやスマホで血流が悪くなっている方はナッツ類をおやつに選び、ビタミンEを摂ってみませんか?
またビタミンCより抗酸化作用があるため、肌の酸化によるシミやシワが気になる方にもおすすめの栄養素です。

 妊娠後は身体の血液量が増加するのにともない、身体全体に酸素を運ぶ赤血球の原料である鉄も多く必要となります。
一方でお茶やコーヒー、紅茶に含まれる成分の1つ、タンニンは鉄の吸収を抑えると言われています。日中の仕事時間には好きな飲み物を選びつつ、鉄分を意識した食事の時は白湯やお水、牛乳や豆乳飲料と合わせて鉄分を摂るのがおすすめです。

カルシウム

 日本人には特に不足しがちと言われているカルシウム。体内ではカルシウムイオンとして、神経が興奮したときに落ち着かせるための神経伝達物質として血中に放出されます。
仕事に家事に妊活と考えることが多い妊活女性には体の健康と合わせてお勧めしたいミネラルです。牛乳以外にもチーズや干しエビな煮干しなどの乾燥食品は効率よくカルシウムを補給できます。一方で過剰摂取した場合は結石などの危険もあるので注意しましょう。
夜は1日の疲れをリセット。
お家での仕事はほどほどに睡眠時間はしっかり確保してくださいね。
ここまでで多く紹介してきた「葉酸」と「鉄」は妊娠に向けて欠かせない栄養素です。
もう少し詳しく見ていきましょう!
  •  妊活で検索すると必ず目にする葉酸。なぜ葉酸はこれほど必要と言われているのでしょうか?
    葉酸は胎児の神経の形成に欠かせない栄養素であり、この神経管は妊娠初期の数週間で形成されます。 しかし葉酸は水溶性のため、水に溶けやすく、熱に弱い面も。実際に加熱や茹でた野菜から480㎍の葉酸を摂ろうと思っても、イラストで表したような量を毎日食事から摂ることはなかなか難しい量になります。
    厚生労働省では妊娠初期だけでなく、妊娠する2~3か月前から毎日の食事で480㎍を摂ることを勧めています。
    まずは毎日の食事からどれだけの葉酸を摂れているか、下のイラストを参考にチェックしてみてくださいね。

    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.232~237,p.378~386
    参考文献:文部科学省 「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/search.html (2020年 6月30日)


  •  妊娠初期から女性の身体は赤ちゃんにも酸素を送るために妊娠後期になるほど血液量が増え、貧血になる可能性が高くなると言われています。
    具体的には妊娠初期、中期、後期と鉄の使われ方もさまざまで「胎児の成長に合わせた鉄の保存」「胎盤での鉄の貯蔵」「循環血液量の増加に合わせて、酸素を運ぶ赤血球を作る」と変化しますが基本的には赤ちゃんとママのために欠かせないミネラルです。
    では具体的にどれぐらい必要かというと、妊娠初期は妊娠前の6.0mgに2.5mg足した8.5mg。中期、後期には妊娠前の倍以上の15.5mgを摂ることを厚生労働省では推奨しています。この数字から妊娠期に重要な栄養素であることがわかります。
    一方で下のイラスト量のように一度で摂り切れない場合は、サプリメントでの摂取もおすすめです。過剰摂取にならないように用法容量はしっかり確認しましょう。

    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.311~321,p.378~386
    参考文献:文部科学省 「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/search.html (2020年 6月30日)

  •  妊活を意識するなら、積極的に摂りたい栄養素を紹介してきましたが、ここまでで多く紹介してきた「葉酸」と「鉄」は妊娠に向けて欠かせない栄養素です。
    もう少し詳しく見ていきましょう!
  • 水銀

     水銀を摂り過ぎた場合、赤ちゃんの健康に影響がでると言われています。水銀は水銀はマグロやカジキなどの海の中で食物連鎖の上にいる魚に蓄積されやすい成分です。他にも大型の魚や深海魚に特に多く含まれています。
    一方で「控えるべき」と記載しましたが、平均的な日本人の水銀摂取量では赤ちゃん健康への影響が懸念されるようなレベルではないとWHOや厚生労働省からも報告されています。
    気を付けたいのは妊娠期にもよいと言われるDHAやEPAなどの栄養素を意識して魚介類だけに偏った摂取になることです。マグロやメカジキなどの刺身を食べられる場合、厚生労働省では1回約80gとして妊婦は週に1回程度が(1週間当たり80g程度/刺身1切れ15g/刺身5枚程度)推奨しています。魚介類は女性に嬉しいDHAも多く含むので、食事に追加すときは青魚のイワシ、サバなどもおすすめです。
    参考文献:厚生労働省「魚介類に含まれる水銀について」 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/ (2020年 6月30日) p.232~237,p.378~386
    薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 乳肉水産食品部会 「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/index-a.pdf (2020年 6月30日)

  • ビタミンA

     成長ホルモンや抗酸化作用などの働き期待されるビタミンAです。成長ホルモンと聞くと赤ちゃんによいビタミンに感じますが、摂りすぎると赤ちゃんの成長に影響がでることが知られています。
    水銀同様に普段の食事からは問題ありませんが、妊娠に向けた貧血対策としてすすめられがちなレバーもビタミンAが豊富なため摂り過ぎには注意が必要です。野菜の中では人参が多く含まれているため偏った食品で栄養補給をするのは気を付けましょう。ビタミンAは脂溶性のため、身体に蓄積されます。そのため妊娠を希望する3か月前からもあまりにも偏った食品選びには気をつけましょう。
    英国食品基準庁(FSA)ではレバー、またはレバーパテのようなレバー製品を週 1 回以上食べている人は、これ以上摂取量を増やさないこと。そしてビタミン A のサプリメントを摂らないことをおすすめしています。
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.171,p.205,p.382
    参考文献:食品安全委員会「ビタミンAの過剰摂取による影響」 http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-vitamin-a.pdf (2020年 6月30日)

  • 体を支える基本の栄養素が摂れているかチェックしましょう。

  • タンパク質

     体の細胞を作るのに欠かせないタンパク質。タンパク質が豊富な食材は卵、大豆製品、肉類、魚類とさまざまです。そのタンパク質にもランクがあることをご存じですか?
    良質なタンパク質とは身体に必要なアミノ酸は20種類、その中で体内で作ることのできない必須アミノ酸は9種類。必須アミノ酸が理想的なバランスで含まれているのを示したのが「アミノ酸スコア(アミノ酸評点パターン)」です。  アミノ酸スコアは0~100で記載され100に近いほどバランスが良く、良質のたんぱく質とされています。

    鶏卵 / 豚肉 / 牛肉 / 鶏肉 100
    あじ / まぐろ / さけ 100
    牛乳 100
    じゃがいも 73
    精白米 61
    パン 44
    とうもろこし 31

     一見すると、動物性たんぱく質ばかり取っていれば良さそうですが、大豆製品などにはイソフラボンなどの女性に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。朝は大豆製品、昼・夜は動物性たんぱく質と献立をまとめて考えるときはぜひタンパク質のバランスも意識してみてくださいね。
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.106~p.119
    文部科学省「日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)(アミノ酸成分表編)」
    https://www.kyoiku-tosho.co.jp/b_data/correct/teisei_colorchart.pdf (2020年 6月30日)

  • ビタミンC

     妊活にストレスは大敵。ストレスを感じると、身体の中ではストレスに対抗する抗ストレスホルモンが分泌されます。このホルモンをつくるのにビタミンCは大量に使われます。
    しかし、ビタミンCは水溶性のビタミンのため体に留めておくことが難しく、朝にたくさん補給しても夕方には体外に排出されてしまいます。ビタミンCを意識して朝多めに摂っても、夕方の帰宅の満員列車でストレスを感じた時にはビタミンCは不足しているかもしれません。
    ビタミンCは、ビタミンEと同じく、抗酸化作用も高く体の疲れや疲労の原因ともいわれる活性酸素の生成を抑えます。働きながら妊活も意識する頑張り屋さんの毎日を支えるのに役立つビタミンです。
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.244~p.248

  •  環境やライフステージに合わせて摂るべき栄養素は異なります。それは一人ひとりの食生活や味つけの好み、タバコやアルコールの有無によって少しずつ変化します。同じ家に住む家族でも必要としている栄養素はバラバラ。そんな「私が過ごす毎日」だからこそ足りない栄養素はサプリメントで気軽に補うのもおすすめです。ここでは、あなたの生活に取り入れやすいサプリメントの形状とその理由を紹介していきます。
  • カプセル

    粉末や顆粒の有効成分をゼラチンや植物由来の原料のカプセルで包むことで原料の純度は高くなります。 臭いや味がいまいちな栄養素も気にせず飲めますが、カプセルは粒が多くなる傾向にあるため、粒が苦手方は粉末状のサプリメントがおすすめです。

  • 粉末

    原料が粉砕されている作られていものが多く、素材の純度が高いと言えます。 高熱、高圧を長時間かける工程が少ないため、内容成分は損なわにくいのが特徴です。 味や臭いを調整することが難しく、栄養素によっては咥内に味や粉末が残りやすいことも。水には溶けやすいものを選ぶか、味が苦手な方はカプセルタイプがおすすめです。

  • 飲み忘れを防ぐためには食後に飲む、などのルーティーンを決めておくと、パートナーと飲み忘れを指摘しあえます。