家事に専念しながら妊活中
のあなたへおくる栄養素

 妊活中の栄養素といえば葉酸や鉄が有名ですが、あなたはどんな栄養素を意識して摂っていますか?

栄養補給を意識して妊活中はマルチサプリメントを飲む方も多いと思いますが、日々の中で必要とされる栄養素は運動量や、食の好み、ストレスや睡眠の質など、毎日の生活環境によって変化します。

例えば、仕事が接客業の人と、家事に専念しながら妊活している人では、日中に多く過ごす場所や、人と接する機会にも違いがあります。そんな1人で過ごす時間も多い、妊活中のあなただからこそ必要な栄養素をご紹介します。

もっと「私が過ごす毎日」だからこそ、足りない栄養素が知りたい方は「栄養天気予報」もおすすめです。

1日の過ごし方によって、変わっていく必要な栄養素

気になる栄養素はタッチ!



・・・赤ちゃんのための栄養素
「朝」とるべき栄養素

ビタミンB12

 ビタミンB12は主に赤血球の産生を助ける働きがある栄養素です。さらに、葉酸の吸収速度を速める働きもあり、どちらも赤血球をつくるのに欠かせない栄養素です。貧血症状が気になる方にはおすすめのビタミンです。
食材ではレバーや貝類、魚介類に多く含まれています。食事から摂る場合は、レバー、魚類、貝類ともにしっかりと加熱して食事に取り入れましょう。一方で、レバーやマグロやカツオなどには妊娠期、過剰に摂りすぎると注意が必要なビタミンAや水銀が多く含まれ、二枚貝などはノロウイルスなどの食中毒の原因となりやすい食材です。妊娠を期待する期間の積極的な摂取は控えるのをおすすめします。

葉酸

妊娠する2~3か月前から妊娠初期にかけて、とくに摂取することが厚生労働省からも勧められているビタミンです。葉酸は胎児の脳や脊髄のもとになる神経管の発達に関わりますが、この神経管は妊娠初期の数週間で形成されると言われています。
妊娠に気付きにくい時期に赤ちゃんが求めている栄養素のため、サプリメントなども幅広く商品化されています。水溶性のビタミンで身体に留めておくことができないため、1度に摂るよりも1日、数回に分けて摂ることをおすすめします。 

 鉄分は赤血球の中でも、酸素を運ぶ働きを持つヘモグロビンを作るのに欠かせません。妊娠初期は血液量もどんどん多くなるので、妊娠初期から意識して摂りたいミネラルです。
 一方で、お茶やコーヒー、紅茶に含まれる成分のタンニンは鉄の吸収を抑えると言われています。コーヒーやお茶を飲む機会が多い時間帯は、鉄分を意識して摂るのは避けてお湯やお水や、鉄分の吸収率も上げる、ビタミンCを豊富に含む飲み物と合わせて摂るのがおすすめです。とくにビタミンCが豊富なアセロラジュースなどの果物ジュースがおすすめです。

ビタミンC

 野菜や果物に多く含まれ、運動後の疲労の原因である活性酸素によって、体が酸化するのを防ぐことが期待できます。ストレスを感じた時に分泌される抗ストレスホルモンを作るときにも使われるため、一人で過ごす時間が多い中で、ストレスや疲れを感じている方にはぜひ積極的にとっていただきたいビタミンです。
また、鉄の吸収を促進させる働きがあるので妊活、妊娠時に重要な鉄を効率よく吸収するのをサポートします。受動喫煙や喫煙される機会が多い場合は、体内で大量に消費されてしまうためより意識していただくことをおすすめします。

マグネシウム

 マグネシウムは健康に欠かせない体内で作られる、さまざま酵素の働きを活性化させる働きがあります。妊活を意識しているとき以外でも、いきいきとした生活には不可欠なミネラルです。
ひじきや昆布、ごまなどに多く含まれ、食品からでも十分に摂取することができます。海藻類の入ったふりかけや酢の物、お味噌汁を選ぶことで、日頃の食事にプラスワンして摂ってみましょう。

ビタミンB6

 ビタミンB群の中でも、月経前症候群(PMS)を改善する働きがあるなど女性ホルモンバランスを整えます。また、つわり症状を改善させる働きも期待できると言われている栄養素です。
またリラックス効果を生む、GABAを体内で作るときの材料にもなります。食事からとるなら、豚肉や鶏肉、玄米や鮭、間食でならバナナからこまめに摂取することをおすすめします。最も多く含むのはマグロやカツオですが、水銀も多く含むため、妊娠に期待するときは偏った摂りかたにはお気をつけください。
仕事をしながらの妊活は時間との勝負。
仕事に追われていても朝ごはんはしっかり食べましょう。
「昼」とるべき栄養素

ビタミンB1

 主食やお菓子、ジュースなどに含まれる糖質を身体の中でエネルギーとして利用(代謝)する際に使われます。
お昼、1人で食事をするときに炭水化物だけになりがちな場合は、ビタミンB1がもっとも不足しやすく、糖質が効率的に代謝できていない可能性があります。代謝ができない場合、乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まりやすくなり、疲れやすくなることも。
食後のおもだるさが続くのはもしかするとビタミンB1が不足しているのかもしれません。手軽にビタミンB1をとるなら主食を玄米に置き換えるのもおすすめです。

亜鉛

 亜鉛は血糖値を下げるインスリンや生殖に必要なホルモンの合成や分泌に関わり、性腺機能の働きに必須とも言われています。
さらに、胎児における細胞分裂を促進させる働きがあるため妊婦には必須な栄養素です。亜鉛が豊富なことで有名なのは貝類のカキですが、冬はノロウイルスの危険性も高いため、通常は牛肉やレバーなどから摂ることをおすすめします。
一方で日頃から玄米を食べている場合、玄米に含まれる「フィチン」という栄養素が亜鉛と結合し、亜鉛の吸収率が下がるとも言われています。普段から玄米派の人が亜鉛を意識して摂るときは食べ合わせに注意してみてください。

マグネシウム

 マグネシウムは、健康に欠かせない体内で作られる様々な酵素の働きを活性化させる働きがあります。妊活以外にも、いきいきとした生活には欠かせないミネラルです。
ひじきや昆布、ごまなどに多く含まれ、食品からでも十分に摂取することができます。海藻類の入ったふりかけや酢の物、お味噌汁を選ぶことで、日頃の食事にプラスワンして摂ってみましょう。

ビタミンD

 妊娠初期、ビタミンDは胎児の脳や脊髄を作るのに欠かせないビタミンです。また、免疫機能をサポートするだけでなく、単体では吸収率の悪いカルシウムと合わせて摂ることによって吸収率も良くなります。
ビタミンDは日光を浴びることで体の中で作ることができますが、外に出る機会が少ない方や、紫外線対策をしっかりとされている場合は、魚やキノコなどから摂取することをお勧めします。一方、厚生労働省からは1日の摂取量は5.5㎍前後と推奨されており、サプリメントで摂る場合は過剰摂取に注意が必要です。

ビタミンA

 ビタミンAは粘膜や皮膚の維持する働きのほかに、粘膜の機能をいつも通りに保つことをサポートするので、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐ効果が期待出来ます。妊娠後は風邪を引くと薬なども気軽に飲めなくなります。
粘膜が弱ると風邪なども引きやすくなるため、普段から意識して摂りたい栄養素ではありますが、妊娠前よりも多く摂る必要はありません。まずは体調管理の一環として不足していないかをチェックしてみてください。
ちなみに皮をむいた茹で人参を100g摂るだけで1日の推奨量650㎍は十分に摂れます※
※(レチノール活性当量で730㎍)
家事の合間の一息つく時間。
一人のお昼でも一品プラスして栄養補給を。
「夜」とるべき栄養素

イソフラボン

 イソフラボンは排卵前後に増える女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」に似た働きをします。エストロゲンは妊娠に向けて卵巣内の卵胞を成熟させて卵子を育て働きをサポートします。
また排卵に向けて子宮内膜を厚くし、受精卵の着床を準備するためにも欠かせないホルモンです。繊細な女性ホルモンはストレスや環境などにも影響をうけやすいため、イソフラボンでカバーしてみましょう!

ビタミンC

 体の中でタンパク質と結合し、コラーゲンを生成するときに使用されます。コラーゲンは肌のうるおいだけでなく、細胞と細胞の間をつなぐ接着剤のような役割もしています。
ストレスを感じた時に分泌される抗ストレスホルモンを作るときにも使われるため、一人で過ごす時間が多い中で、ストレスや疲れを感じている方にはぜひ積極的にとっていただきたいビタミンです。
受動喫煙や喫煙される機会が多い場合は、体内で大量に消費されてしまうためより意識していただくことをおすすめします。

葉酸

妊娠する2~3か月前から初期にかけて特に摂取することが厚生労働省からも勧められています。葉酸は胎児の脳や脊髄のもとになる神経管の発達に関わり、神経管は妊娠初期の数週間で形成されると言われています。
妊娠に気付きにくい時期から赤ちゃんが求めている栄養素のため、サプリメントなども幅広く商品化されています。水溶性のビタミンで身体に留めておくことができないため、1度に摂るよりも1日、数回に分けて摂ることをおすすめします。 

ビタミンB6

 タンパク質をエネルギーとして代謝する際に使われタンパク質を摂りやすい夕食では意識したいビタミンです。妊活中、赤ちゃんの初期の発育に欠かせない葉酸が、身体の中で活性化し、代謝されるのにも関わるため、葉酸と合わせて摂りたいビタミンでもあります。
また、女性ホルモンが乱れることによっておこる月経前症候群(PMS)のイライラや腰痛などを軽減することも期待できると言われています。妊活に向けて女性ホルモンを整えるためにも、青魚や鮭、マグロ、鶏ささみ肉、豚肉、バナナなどを食事に取り入れることをおすすめします。
特に魚に多く含まれているため、今晩の夕食は魚を主菜にしてビタミンB6を摂ってみてはいかがですか?
夜は1日の疲れをリセットするために、身体の内側からも栄養補給を
妊活を意識するなら、積極的に摂りたい栄養素を紹介してきましたが、ここまでで多く紹介してきた「葉酸」と「鉄」は妊娠に向けて欠かせない栄養素です。
もう少し詳しく見ていきましょう!
  • 妊娠関連で多く聞く葉酸。がなぜこれだけ必要と言われているのでしょうか。 葉酸は胎児の神経の形成に欠かせないのですが、この神経管たちは妊娠初期の数週間で形成されます。そのため厚生労働省では妊娠する2~3か月前から普段の食事にプラスして400μg飲み始めることを勧めています。 さらに葉酸は水溶性のため、水に溶けやすく、熱に弱い面も。さらに野菜などから摂取したものは50%程度しか使われません。そのため毎日のこまめな摂取が大切とされています。
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.232~237,p.378~386
    文部科学省 「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/search.html (2020年 6月30日)

  • 妊娠初期から女性の身体は血液量が増え、貧血になりやすくなります。鉄は妊娠初期、中期、後期と必要な理由も「胎児の成長に合わせた鉄の保存」「胎盤での鉄の貯蔵」「循環血液量の増加に合わせて、酸素を運ぶ赤血球を作る」と変化します。そのため、妊娠初期は女性の平均の6.0mgにプラスした8.5mgが推奨されていて、中期、後期には15.5mgと妊娠前の倍以上の摂取を推奨されています。毎日食事ではとることは難しいいため、サプリメントでの摂取もおすすめです。その際は過剰摂取にならないように鉄分の多い食品も合わせて覚えておきましょう!
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.311~321,p.378~386
    文部科学省 「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/search.html (2020年 6月30日)

  • 妊活から妊娠初期に入ると気を付けたい栄養素が少しずつ増えていきます。普段の生活のなかでは意識しづらい意外な食材や「気をつけたい栄養素」をチェックしてみましょう!
  • 水銀

    大型の魚や深海魚に特に多く含まれていますが、平均的な日本人の水銀摂取量は健康への影響が懸念されるようなレベルではありません。しかし、偏った摂取には気をつけましょう。マグロやメカジキなどの刺身を食べられる場合、厚生労働省では1回約80gとして妊婦は週に1回程度が(1週間当たり80g程度/刺身1切れ15g/刺身5枚程度)推奨しています。魚介類は女性に嬉しいDHAも多く含むので、食事に追加すときは青魚のイワシ、サバなどもおすすめです。
    参考文献:厚生労働省「魚介類に含まれる水銀について」 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/ (2020年 6月30日) p.232~237,p.378~386
    薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 乳肉水産食品部会 「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/index-a.pdf (2020年 6月30日)

  • ビタミンA

    成長ホルモンや抗酸化力を期待されていますが、摂りすぎると赤ちゃんの成長に影響がでることも。妊娠に向けた貧血対策としてすすめられがちなレバーもビタミンAが豊富です。野菜の中では人参が多く含まれています。レバーだけに偏った食事には気を付けましょう。妊娠を希望する3か月前、妊娠中は気を付けるのがおすすめです。 英国食品基準庁(FSA)ではレバー、またはレバーパテのようなレバー製品を週 1 回以上食べている人は、これ以上摂取量を増やさないこと。そしてビタミン A のサプリメントを摂らないことをおすすめしています。
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.171,p.205,p.382
    参考文献:食品安全委員会「ビタミンAの過剰摂取による影響」 http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-vitamin-a.pdf (2020年 6月30日)

  • ストレスフリーな生活を支える
    基本栄養素が摂れているかチェックしましょう。

  • ビタミンB群

     妊活のために葉酸を積極的にとっている人が多いなか、基本的な栄養素であるビタミンB群はあまり意識されていない方も多いのではないでしょうか?
    とくにビタミンB12は葉酸の吸収率あげたりなど、どのビタミンも身体の基本を支え、疲労回復や皮膚・粘膜の維持に必要な栄養素です。ビタミンB群(複数のビタミンB)は一緒に摂取することで働きが促進されるため、一度に複数のビタミンB群を摂取することをおすすめします。

    ・ビタミンB1:炭水化物をエネルギーにかえる働きがあり代謝の重要な役割を担っています。1日体力を使った日は筋肉の機能を正常に保つサポートもしてくれます。

    ・ビタミンB2:主に脂質をエネルギーにかえる働きがあり、こちらも代謝の重要な役割を担っています。また、タンパク質の合成をして、細胞の再生や肌、髪をつくる助けをしています。

    ・ビタミンB6:主にタンパク質の代謝に深く関わっています。新陳代謝を良くするためにはなくてはならないビタミンです。
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日)

  • GABA(ギャバ)

     1人で考え込むことも多い、妊活さんにはリラックスする効果の高いGABA(ギャバ)がおすすめです。
    アミノ酸の一種で主に抗ストレス作用や睡眠に関係する栄養素です。体内でも作られますが、量はわずかなので食品からの摂取がおすすめです。野菜や玄米などにも含まれますが、最近ではGABA含有のお菓子やドリンク商品も多くあり、ストレスで甘いものが欲しい時などにはGABA含有の商品を選んでみるのもおすすめです。
    お菓子などではカロリーが気になってしまう人は、サプリメントやドリンク商品での摂取もおすすめです。
    参考文献:佐々木泰弘・河野元信「ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察」『美味技術研究会誌』 No.15:32-37,2010
    一般社団法人 日本サプリメント協会「サプリメント健康辞典」集英社, 2015, p.129

  • なかなか、自分のためには食事を増やせない、これ以上食材を増やしてカロリーを摂りたくない方にはサプリメントがおすすめです。また、飲み忘れを防ぐためにも食事と合わせて飲むことでパートナーと飲み忘れを指摘しあえます。
  • タブレット錠剤

     楕円形の錠剤などでは結合剤などに添加物を使用するので、有効成分の含有量は低くなります。しかし、粒の全体をコーティングすることよって味やにおいを調整するため、カプセル同様、味やにおいなどを抑えることができます。持ち運びや、妊娠後悪阻が悪化したときも飲みやすいため、長期的に飲むのであればおすすめの形状です。

  • カプセル

     粉末や顆粒の有効成分をゼラチンや植物由来の原料のカプセルで包んでいます。生産時に熱や圧力がかかりにくいため、デリケートな原料も扱いやすいです。においや味がいまいちな栄養素も気にせず飲めますが、カプセルは粒が多くなる傾向にあるため、粒が苦手方は粉末状のサプリメントがおすすめです。

  • その他のサプリメントの形状についてはこちらの記事がオススメです。
    環境やライフステージに合わせて摂るべき栄養素は異なります。 それは一人ひとりの食生活や味つけの好み、タバコやアルコールの有無によって少しずつ変化していき、同じ家に住む家族でもより必要としている栄養素はバラバラ。 そんな「私が過ごす毎日」だからこそ足りない栄養素が知りたい方は「栄養天気予報」で自分に必要な栄養素をチェックしてみましょう。
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    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) p.232~237,p.378~386
    文部科学省 「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/search.html (2020年 6月30日)
    参考文献:一般社団法人 日本サプリメント協会「サプリメント健康辞典」集英社, 2015
    参考文献:一般社団法人 日本臨床栄養協会 「NRサプリメントアドバイザー必携(第4版)」,第一出版株式会社, 2019