子育てに集中している
あなたにおくる栄養素

産後になった途端、自分のことは後回しで子ども優先のママ。妊活中は飲んでいたサプリも、自分だけのためには買いづらかったり、お昼は炭水化物だけになりがちではありませんか?

産後の身体はホルモンバランスに左右されやすく、産後1年は身体の回復のためにも、ママにこそ栄養に気を使ってほしい時期でもあります。

ここでは毎日ハードモードのママだからこそ、意識してもらいたい栄養素をまとめました。気になる栄養素は名前の部分をタッチしてみてくださいね。

一人ひとりにあった栄養素を知ることが、イキイキと過ごす毎日の近道になります。

「私が過ごす毎日」だからこそ足りない栄養素が知りたい方は「栄養天気予報」でチェックしてみましょう。

1日の過ごし方によって、変わっていく必要な栄養素

気になる栄養素はタッチ!



・・・赤ちゃんのための栄養素
「朝」とるべき栄養素

ビタミンC

 柑橘類などに多く含まれ、身体が酸化するのを防ぐ抗酸化作用が期待できるビタミンです。抗酸化作用とは運動した後に溜まる、疲労の原因である活性酸素により、体が酸化するのを防ぐことをさします。
また、鉄の吸収を促進させる働きがあるので、月経期にはとくに不足しがちな、鉄を効率よく吸収することを助けます。育児と家事の両立で増えたストレスを感じた時は、抗ストレスホルモンを作る前に消費量が増えるため、子育てママにはおすすめの栄養素です。
しかし、短時間で体外へと排出されてしまうため、1日数回に分けて摂ることをおすすめします。

 鉄は赤血球中では酸素を運ぶ、ヘモグロビンを作るのに欠かせないミネラルです。鉄は血液だけでなく、筋肉組織を形成するなど、日常生活を送るうえでも欠かせない栄養素です。これから一日活動していくために、朝にしっかり摂取しておきましょう。
しかしながら、食事から摂れる鉄の多くは吸収率の悪い非ヘム鉄です。吸収率がよいとされるヘム鉄は食事の中からは、15%ほどしか摂ることができません。貧血が気になる方はヘム鉄に加え、非ヘム鉄にも注目して鉄分を摂取してみましょう。
鉄分の吸収率を簡単にあげるなら、ビタミンCを豊富に含む飲み物と合わせて摂るのが◎。アセロラや柑橘類のジュースなどが特におすすめです。

食物繊維(しょくもつせんい)

食物繊維は大きく分けて働きが2種類あります。1つ目は、便の量を増やし、腸を刺激することで、排便を促す働きがあります。これは不溶性食物繊維であり、主に根菜類などに多く含まれます。
2つ目は、善玉菌のえさとなりやすいため腸内環境を整える働きがあります。これは水溶性食物繊維で海藻類に多く含まれ、「ネバネバ」もしくは「サラサラ」が特徴です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが崩れると腸内環境が乱れる可能性があります。青汁などの食物繊維が添加されたドリンクで補うこともおすすめです。
2つをバランスよく摂ることで、食事からは腸内環境を整えましょう。また、運動は胃腸を刺激することが期待できるため、食事による内側からのケアも大事ですが、ストレッチなどの簡単な運動を取り入れることも心がけましょう。

ヨウ素

 ヨウ素は、脂肪を燃やしてエネルギーをつくり出したり、古くなった細胞を新しい細胞につくり替えたりなどの機能を持っています。また、甲状腺ホルモンの構成成分として重要な働きも担っている栄養素です。
甲状腺ホルモンとは基礎代謝や新陳代謝(しんちんたいしゃ)※に関わる胎児・乳幼児の発育に欠かせないホルモンです。ヨウ素は昆布やわかめなどの海藻類に多く含まれているため、日本人の食生活では不足することはあまりありません。
しかし、食事が洋食などに偏っている場合は、酢の物や、お味噌汁に海藻類を足して、食事全体のバランスをとるのがおすすめです。

※新陳代謝…新しいものが古い(=陳)ものと次第に入れ替わること。生物体が生存に必要な物質を体内に取り入れ、用済みとなった古い物質を体外に出す現象。物質代謝。
一日の始まりは日光を浴びて、ゆっくりとした動きを。
少しずつ身体も目覚めさせていきましょう。
「昼」とるべき栄養素

炭水化物

 筋肉や臓器が動くためのエネルギーは糖質やタンパク質、脂質をもとに作られます。一方で、糖質を制限している場合、身体の基本の部分(体組成)を作るためのたんぱく質や、脂質がエネルギーとして使われてしまい、身体の基本的な代謝が落ちてしまうことにもつながります。
糖質は脳の唯一のエネルギー源であり、腹持ちもいいため忙しいお昼にはご飯やパン、イモ類などでしっかりエネルギーを補いましょう。
炭水化物を避けがちな方は、お米の温度を下げることによって糖質の吸収率を抑えることが可能なので、朝おにぎりを作るのもおすすめです。食事制限は自己流では行わず、医師や栄養士の指導のもと行うのをおすすめします。

セレン

 ミネラルの1つで代謝に関係する酵素の構成成分となる栄養素です。日本人の食事摂取基準2020版でも、母乳期間のお母さんには、通常時に加えて摂取することがすすめられています。
お母さんの健康のためにも、赤ちゃんの発育にも大切な栄養素です。食材では食パンや鰹節、卵黄にも多く含まれています。
一方で食事で不足することはほとんどありません。過剰に意識しなくても普段の食事から摂れますが、他の栄養素と同じように、何か1つの食材に偏った食事には注意しましょう。

ビタミンD

 主に、カルシウムの代謝調節に欠かせない栄養素で、骨や皮膚の健康維持に必要不可欠なビタミンです。
さらに、母乳中に最も多く含まれるビタミンのため、授乳中のママには特に必要な栄養素です。日光に浴びることで体内でも作られますが、紫外線、日焼け対策をばっちりしている場合は、体内での生成は不足する可能性もあります。日光を浴びる日中には意識して摂ることをおすすめします。
もちろん、昼だけでなく、朝ごはんには焼き鮭、夜にはきのこを使った1品を足してこまめに摂ることもおすすめです。

マテ

 昔から疲労回復や滋養強壮に用いられている、南米原産の植物です。脂肪細胞の分解を促進する働きがあるとされ、今回は産後の体重増加が気になる方におすすめしたい食材です。
最近では「マテ茶」など、手軽に摂取できる飲み物も販売されています。日本マテ茶協会ではカルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分、食物繊維を豊富に含むデータを掲載しています。カフェインの含有量もコーヒーの約1/4、紅茶の約1/3、緑茶の約1/2程度。産後のお母さんはミネラル補給もかねて食事と合わせて飲んでみてはいかかでしょうか。
ただし少ないとはいえ、カフェインも含まれているので飲み過ぎには注意しましょう。
忙しくて時間がないときは
食材を普段とは変えて効率よくエネルギー補給を!
「夜」とるべき栄養素

鉄分

 鉄分は赤血球の中でも酸素を運ぶ働きを持つ、ヘモグロビンを作るのに欠かないミネラルで、イキイキとした毎日は欠かせません。その他にも、筋肉組織を形成するなど、日常生活を送るうえでも欠かせない栄養素です。子育ての疲れや貧血で悩んでいる方には、積極的に摂取してほしい栄養素です。
一方、食事から摂れる鉄の多くは吸収率の悪い非ヘム鉄で、吸収率がよいとされるヘム鉄は食事の中からは、15%ほどしか摂ることができません。
女性の場合、月経期には出血が多くなるので、効率的に鉄分を摂るなら吸収率を上げてくれるビタミンCと合わせて摂るのがおすすめです。

ビタミンC

 柑橘類などに多く含まれ身体が酸化するのを防ぐ、抗酸化作用が期待できるビタミンです。抗酸化作用とは運動した後に溜まる、疲労の原因である活性酸素により、体が酸化するのを防ぐことをさします。
また、ストレスを感じた時に分泌される、抗ストレスホルモンを作るために使われるビタミンなので、育児と家事の両立で、少し心が落ち着かないときには、摂っておきたい栄養素です。一方、短時間で体外へと排出されてしまうため、1日数回に分けて摂ることをおすすめします。

ビタミンA

 主に粘膜や皮膚の健康維持に必要な栄養素です。授乳期には乳児の免疫に関与する栄養素であり、不足すると母乳の濃度も低下するため、通常時の650㎍に加えて450㎍をプラスした摂取が勧められています。
妊娠期に過剰摂取すると、赤ちゃんに影響がでる可能性があるため注意が必要ですが、ヒトの体内では作られないためバランス良く摂りたいビタミンです。妊娠期とは別に授乳期間中は推奨量が増えるので、にんじんやレバーを油で炒めて摂るのがおすすめです。
季節の変わり目などは特に、家族の健康意識して晩御飯に一品加えてみるのはいかがでしょうか?

GABA(ギャバ)

 アミノ酸の一種で主に抗ストレス作用や、睡眠に関係する栄養素です。睡眠の質を高めたい方におすすめです。
微量ですが、体内のエネルギー生成の過程や、ビタミンB6をもとにして身体の中でも作られます。特に野菜や玄米などに含まれますが、最近ではGABA含有のチョコレートやドリンク商品も多くあり、手軽に摂取できる栄養素になってきました。
疲れているのになかなか寝付けない、という子育てママは一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
仕事に追われていても身体の資本は食事から
まず朝ごはんから3食のバランスを整えましょう。
家族の健康を支える「大黒柱」だからこそ気を付けたい栄養素についてまとめました。10カ月かけて変化したお母さんの身体は、身体の内側も変化が起きています。子育て中のママだからこそ、抱える悩み、それには欠かせない栄養素をチェックしてみましょう。
  • イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすることが期待できます。年を重ねるごとに減っていく女性ホルモン。更年期症状にも関与し、女性を若々しく保つためにも欠かせません。効率よく摂るにはがんもどきや高野豆腐などの加工大豆製品もおすすめです。
    参考文献:内閣府 食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」 https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html#9 (2020年 6月30日) 

    参考文献:文部科学省 「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/search.html (2020年 6月30日) 


  •  子育て中はなにかと思い通りにならず、ストレスからイライラしてしまうことも。カルシウムはそんなイライラを抑える働きをします。興奮したときに敏感になった神経をしずめるためにはカルシウム(イオン)の血中濃度がかかわってきます。
    厚生労働省が勧める1日のカルシウム摂取量は650mg。牛乳ならコップ一杯(200ml)で220mg、乾燥エビ5gだけでも100mgを摂取できます。
    乾燥エビなどはサラダや食事の彩りにもなります。チーズなどの乳製品を副菜に足すのもおすすめです。カルシウムをサプリメントで摂る場合は、過剰摂取に気をつけましょう。
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) 
    参考文献:文部科学省 「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/search.html (2020年 6月30日) 


  • 子育てに集中し始めて、運動不足から少しお腹周りがきになってきたお母さん。そんな時はコーヒーを飲んでみませんか?コーヒーって意外と万能なんです。
  • クロロゲン酸

    最近、コーヒーを飲むと痩せると聞いたことはありませんか?
    コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、体脂肪を分解する消化酵素「リパーゼ」が活性化させ、エネルギーとして脂肪が消費しやすくなると言われ、注目を集めています。

    また、コーヒーを飲むと血中のアドレナリンと、ノルアドレナリンというホルモンの濃度が高くなります。このホルモンは心臓の拍数を増やし、脂肪組織での脂肪分解作用を促進させる働きがあると言われ、結果として体脂肪の「燃焼」をしやすくと言われています。
    最近ではタニタ食堂で有名な㈱タニタが、クロロゲン酸を豊富に含んだコーヒーを発売しています。
    ノンカフェインでもクロロゲン酸は含まれるため、授乳中やカフェインが苦手な方にはノンカフェインのカフェラテやカプチーノがおすすめです。ご褒美のフラペチーノにもエスプレッソショットを追加すれば、罪悪感を減らせるかもしれません。
    参考文献:花王株式会社 「ポリフェノール研究1 コーヒークロロゲン酸類」 https://www.kao.com/jp/nutrition/about-cga/ (2020年 6月30日) 

  • 産後の身体の回復には食事からの栄養補給が欠かせません
    とくに筋肉や臓器の回復には欠かせない栄養素と、変化するホルモンバランスについてご紹介していきます。

  • タンパク質

     たんぱく質は身体の半分以上を構成するのには欠かせない基本栄養素です。たんぱく質が不足することは、筋肉や細胞だけでなく、身体の内側を整えてくれるホルモンや、酵素の不足につながります。
    ホルモンは女性ホルモンやインスリン、酵素は脂肪や、でんぷんを分解するための酵素など、それ以外にもホルモンは身体の中に数百種類、酵素はそれを超える数千種類あると言われています。

    10カ月かけて変化したママの身体が回復するためには、基本栄養素は欠かせません。身体の回復にはまずは基本となるタンパク質が欠かせません。子どもを優先して思うようにならない毎日でも、なるべく一品タンパク質をプラスしてみましょう。

     画像は成人女性が1日で摂るべき推奨量になります。肉類、魚類、卵や大豆製品などのタンパク質のバランスと合わせて、1日の摂取量をチェックしてみてくださいね。
    参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf (2020年 6月30日) 
    参考文献:文部科学省 「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/search.html (2020年 6月30日) 

  • 【栄養コラム】

    「産後のホルモンバランス~プロラクチン~」

    プロラクチンは体内で分泌されるホルモンの一つです。
    母乳が出ている時期に分泌が多くなる反面、分泌が多くなりすぎると性生活に対して、気持ちが消極的になりやすくなるともいわれています。過剰分泌は不妊にもつながることも。
    産後はもっともセックスレスになりやすい時期と言われていますが、あなたが前向きになれないのはもしかすると、プロラクチンなどのホルモンのせいかもしれません。
    プロラクチンは痛みなどを感じた時も分泌されるので、前向きな性生活のためにもリラックスして過ごすことが大切です。
    参考文献:一般社団法人 日本臨床栄養協会 「NRサプリメントアドバイザー必携(第4版)」,第一出版株式会社, 2019, p46

    「抗ストレスホルモン~コルチゾール」

    プロラクチンでストレスの話が出てきましたが、じつはビタミンをとることで、ストレスに対抗してくれるホルモンをサポートすることができます。
    ストレスを感じた時に身体の中では「コルチゾール」というホルモンの分泌が多くなります。コルチゾールは「抗ストレスホルモン」とも呼ばれ、副腎という臓器でその都度作られます。このときにタンパク質や脂質、とくにビタミンCが大量に消費されます。

    一方でビタミンCは水溶性といって、身体に留めておくことが難しい特徴を持っています。ストレスを感じるときは時間や余裕がなく、食事が後回しになりがちです。忙しい毎日の中で、栄養補給が難しい場合は、サプリメントやドリンク剤などで補給するのもおすすめです。ストレスに負けない1日を送るためにも、まずは上の1日モデルスケジュールからみるおすすめの栄養素から、1日の食事バランスを見直してみませんか?
    参考文献:一般社団法人 日本臨床栄養協会 「NRサプリメントアドバイザー必携(第4版)」,第一出版株式会社, 2019, p49

  • 自分のことは後回しになりがちなお母さんだからこそ、身体のケアは簡単にできるサプリメントがおすすめです。飲み忘れないように1日1回で済むマルチビタミン。家族に飲み忘れを指摘してもらえるように、食卓や寝室に置くなど、定位置を決めることをおすすめします。
  • タブレット錠剤

     タブレット状に高圧で成型され、コーティングによって味やにおいを抑えられています。悪阻中においなどが気になり、ソフトカプセルなどだと大きくて飲み込みづらい方にオススメです。
    タブレット錠剤は胃ではなく腸で溶解させたり、徐々に成分を放出させたりなど工夫した商品もあります。結合剤などの添加物を使用するので、素材の純度は低くなります。

  • 粉末

     原料が粉砕されている作られていものが多く、素材の純度が高いと言えます。 高熱、高圧を長時間かける工程が少ないため、内容成分は損なわにくいのが特徴です。
    味や臭いを調整することが難しく、栄養素によっては咥内に味や粉末が残りやすいことも。水には溶けやすいものを選ぶか、味が苦手な方はカプセルタイプがおすすめです。




  • 飲み忘れを防ぐためには「食後」「就寝前」など生活の中の飲むタイミングをルーティーンとして決めておくのがおすすめです。