プロテインには味だけでなく、もととなる原料の種類もさまざまなため、どう選ぶべきか迷いますよね。今回はプロテインの原料であるたんぱく質の違いに注目し、「ソイ」「カゼイン」「ホエイ」から女性にあうプロテインを紹介します!
今回の記事はこんな方におすすめ です!
・どのプロテインを選んでよいのか悩んでいる人
・プロテインのたんぱく質の違いを知りたい人
この記事を読むことで解決できます!
・原料の違いによるプロテインの特徴を知れる
・自分に合ったプロテインを選べるようになる
目的に合わせたプロテイン選択
プロテインを飲むきっかけは、筋トレの効率化や、美しい体型を手に入れたい、肌の調子を良くしたいなど、人によって様々です。
まずは今の自分にあった、たんぱく質を下の表で確認してみよう~女性におすすめのプロテインもあるみたいだよ~
プロテイン |
【特徴】・おすすめな人 |
|
運動強度 高い ⇓ |
ホエイ |
【効率よく吸収できる】 |
カゼイン |
【体内への吸収が緩やか】 |
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ソイ |
【女性ホルモンに似た働き】 |
自分の目的にあったたんぱく質は見つかりましたか?
たんぱく質の違いに注目すると運動の目的が変わった時に、目的に合ったプロテインを選ぶことができ、運動効果を高めやすくなりますよ!
ソイ・カゼイン・ホエイの違い
プロテイン(たんぱく質)には様々な種類があります。代表的なたんぱく質は3つあり、牛乳を原材料とする「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」、大豆を原材料とする「ソイプロテイン」です。
ホエイはヨーグルトの上澄みにできる液体のことをさします。カゼインは生乳を構成するたんぱく質の約80%を占めています。
ここからは、それぞれの特徴を見てみよう~
ホエイプロテインの特徴
プロテインの中でも多く流通しているのがホエイプロテインです。ホエイプロテインのキーワードは「筋肉増加・回復」です。
「筋肉増加」
・ホエイはたんぱく質以外に、水溶性ビタミンやミネラルも豊富。
※製法によって異なります。
「回復」
・トレーニング後の筋肉の回復を促す
・身体へ効率よく吸収できる
・運動後におすすめ
ホエイプロテインは製法によって、含まれる栄養素が異なります。それぞれの製法とメリット、デメリットを確認しましょう!
製法 |
メリット |
デメリット |
WPC製法 |
ビタミンやミネラルが豊富 |
乳糖不耐症の方は注意 |
WPI製法 |
高濃度のホエイたんぱく質 |
製造工程が多く、値段が高い |
WPH製法 |
WPIを超える |
製造工程が多く、値段が高い |
WPC?WPI?WPH…って、かっこいい名前だけど、なにがちがうの?
1文字の違いだけど、たんぱく質をプロテインに変える製法の違いで、その特徴も違うんです! 早速詳しく説明しますね!
▶WPC製法(※1)
WPCとはWhey Protein Concentrate(濃縮乳清タンパク質)のことを指します。たんぱく質の含有量が高い製品は約80%この製法で作られています。
▶WPI製法
Whey Protein Isolate(分離乳清タンパク質)、イオン交換法とも呼ばれています。タンパク質以外の成分はほぼ除去されており、高濃度のホエイタンパクが作られます。タンパク質含有率も約90%であり、お腹の不調になりやすい乳糖の含有率も非常に低いため、乳糖不耐症の方にも適した製法です。
▶WPH製法
Whey Protein Hydrolysate(加水分解乳清タンパク質)の略称です。微生物に含まれる酵素などを使いWPCをペプチド状態(アミノ酸が十数個から数十個つながった状態)に分離したものです。ホエイ含有率が約95%と高くなり、価格も高めのものが多いです。
プロテインの選択には製法以外にもアミノ酸の種類の選択も必要です。アミノ酸とはプロテインが分解されて最小単位となったものです。筋肉と関係が深いとされているアミノ酸のBCAAについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
BCAAはいつ、どれぐらい摂るのがベストか 管理栄養士に聞いてみた
カゼインプロテインの特徴
カゼインプロテインのキーワードは「ゆっくり吸収」です。
・たんぱく質が体内にゆっくり補給される
・就寝前におすすめ
・食事でたんぱく質が足りていないひとにおすすめ
カゼインは原料となる生乳を構成するたんぱく質の約80%を占めています。カゼインは水に溶けにくいため、ゆっくり吸収され、腹持ちがいいたんぱく質です。
また血液中のアミノ酸濃度が高い状態で、長時間維持することができるため、運動後、休憩中、運動をしない休日や就寝前に飲むにはぴったりのプロテインです。また、カゼインは小腸から鉄を吸収するよう働きかけるため、貧血になりやすい女性は鉄のサプリメントも合わせて摂取することがおすすめです。
ソイプロテインの特徴
ソイプロテインのキーワードは「美容」です。
・女性ホルモンに似たような働きをもつイソフラボンを含んでいる
・朝食、運動後におすすめ
・肌のハリや美容面などの女性に多い悩みに
ソイプロテインとは大豆を原料にした植物性たんぱく質を含むプロテインのことです。乳製品アレルギーや乳糖不耐症などでホエイプロテイン、カゼインプロテインを飲むことができない方にもおすすめです。
吸収がホエイ・カゼインに比べるとゆっくりで、腹持ちがよいことも特徴です。昼食と夕食の食事の時間が長時間あく時の間食にもおすすめです。
また、ソイプロテインに含まれる「イソフラボン」は、生理周期でいう排卵前後に増える女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」に似た働きをします。繊細な女性ホルモンはストレスや環境などの影響をうけやすいため、排卵前にはソイプロテインを意識して飲むのもおすすめです!
まとめ
プロテインの違いは理解できましたか? 最後にもう一度プロテインごとのおすすめポイントを確認しましょう!
・筋肉を育てたい方は「ホエイ」
・たんぱく質不足を補いたい方は「カゼイン」
・肌や美容面を意識したい方は「ソイ」
また、たんぱく質はしっかり摂りたいけど摂取カロリーを抑えたいという方にはアミノ酸がおすすめです。プロテインを飲むと太ってしまう…?そんな疑問に対する回答と太らない飲み方はこちらの記事で紹介しています。
「プロテインを飲むと太る?」ダイエットする前に、知るべき基本
監修: 岡部遥
管理栄養士。NRサプリメントアドバイザー。 栄養教諭一種免許状取得。特別養護老人ホーム勤務後、ドリコス株式会社でオーダーメイドサプリメント抽出のアルゴリズム制作、栄養情報の配信を担当。
参考文献
(※1)江崎グリコ株式会社 POWER PRODUCTION MAGAZINE
https://cp.glico.jp/powerpro/protein-knowledge/entry08/
管理栄養士。NR・サプリメントアドバイザー。栄養教諭一種免許状取得。特別養護老人ホーム勤務後、「栄養」によって幅広い世代の生活を支えたいと思い、ドリコスに参画。食べることが大好き。乳製品が好きでよくヨーグルトを食べている。