パンは日本の食卓でもご飯・麺に並ぶメインの炭水化物食材の一つです。パンの多くは主原料に小麦粉を使用しており、さらに細かくすると全粒粉、小麦、米粉とさまざまです。そしてその種類は年々増えています。

 今回はそんなパンの主成分に注目し、管理栄養士がダイエットや美容などの目的に合わせた、最適なパンの選び方を提案します。

 

パンは本当に主食?

 パンは多くの国で主食として親しまれる食品ですが、それは日本も例外ではありません。一方で、コンビニや店頭で多く見かける菓子パンは、主食ではなくおやつとして分類されることをご存知ですか?

下記の表を見てみてください。

1個あたり 熱量(kcal) 炭水化物(g) たんぱく質(g) 脂質(g) 食塩相当量
(g)
大きなサンドイッチ
(ミックス)
385kcal 38.1g 12.6g 20.2g 2.5g
コッペパン
(つぶあん&マーガリン)
508kcal 69.1g 11.3g 20.7g 1.0g


 サンドイッチ(ミックス)と比較すると、
粒あん&マーガリンが挟まったコッペパンの方が炭水化物と炭水化物量が多くなっています。砂糖や油を多く含む菓子パンは主食というよりもスイーツに近いため、食事としての認識よりもおやつとして捉えた方がよいです。

 それでは、次は野菜やあんこなどが挟まっていない食パンの成分別ではどれだけ変化があるのか見ていきましょう!

 

食パンのカロリーは?

 最近は小麦がメインの食パンに比べて、全粒粉(ぜんりゅうふん)やライ麦を使用した食パンも増えてきています。これらの原材料の違いで主成分に変化があるのか確認していきましょう!

1枚あたり
(全て6枚切り)
熱量
(kcal)
炭水化物
(g)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
食塩相当量
(g)
食パン 171kcal 29.7g 6.1g 3.6g 0.8g
食パン・全粒粉 173kcal 30.2g 6.9g 3.2g 0.7g

十二穀ブレッド 153kcal 28.9g 5.1g 2.6g 0.7g

 

 通常の小麦粉で作られた食パンと比較すると全粒粉の食パンの方が脂質は抑えられます。十二穀ブレッドは小麦以外にもライ麦、大麦、オーツ麦などをバランスよくブレンドし、脂質がより抑えられています。

 食パンの原料は、血糖値の上がり方に大きな影響を与えます。その理由は同じ量の炭水化物を含む食品でも、食物繊維の量により血糖値の上昇が抑えられるためです。同じパンでも、ライ麦パンなら血糖値の上昇はおだやかで、白いパンやイングリッシュマフィンは急激に血糖値が上がりやすいとも言われています。

リーンなパン(プレーンなパン)のカロリーは?

 食パン以外のカロリーも気になりますよね。そこで「リーンなパン」のカロリーを調べてみましょう!
 リーンなパンとは粉、イースト、塩、水などの基本的な材料で作られる油分の少ないシンプルなパンを指します。

1個あたり(kcal順) 熱量
(kcal)
炭水化物
(g)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
食塩相当量
(g)
フランスパン 286kcal 149.5g 22.4g 3.2g 3.6g
ロールパン 268kcal 52.1g 9.2g 2.6g 1.11g
くるみパン 229kcal 28.2g 6.3g 10.7g 0.52g
ベーグル 223kcal 45.9g 7.0g 1.3g 1.1g
イングリッシュマフィン 152kcal 30.8g 5.1g 0.9g 0.8g
フォカッチャ 150kcal 22.9g 4.0g 4.7g 0.6g

(※2)

 パンの1個あたりの大きさにもよりますが、比べてみるとカロリーや脂質が大きく変化していますね。塩気もあり、味付けをしなくても食べることができるフォカッチャは脂質が高い傾向にあります。フォカッチャの脂質が高い理由はオリーブオイルを混ぜた生地を焼いているからです。風味や食事に合いやすい半面、食べ過ぎには注意が必要なようです。

 

調理されたリーンなパンのカロリー

 プレーンなパンはそのまま食べる人は少なく、ジャムや具を挟む場合も多いと思います。そこで、具別のカロリー表も記載します。

1つのパンに塗るor挟む量目安 熱量(kcal)
クリームチーズ 20g 69kcal
有塩バター 8g 60kcal
いちごジャム(大さじ1 20g) 39kcal
クランベリージャム(大さじ1 20g) 39kcal
オレンジマーマレード(大さじ1 20g) 36kcal
マヨネーズ 2g 14kcal
トマト 30g 6kcal
レタス 10g 2kcal


 バター10gは60kcalです。60kcalは体重60㎏の人が平らな道を20分ゆっくり歩く運動量に相当します。※3 
 (消費カロリー=3METs×0.33(20分)×60(60㎏)×1.05=62.4kcal 国立健康・栄養研究所の運動強度(METs)※3)

 パンは低カロリーなものを選んでも、具の選択次第ではあっという間にカロリーを摂ってしまうことが分かりますね。
 目的に合わせたパン選びには、挟むものの栄養素やカロリーを意識することが重要な要です。

 

お菓子パンや総菜パン(リッチなパン)カロリーは?

 続いて菓子パン、お惣菜パンなどの「リッチなパン」の成分について見てみましょう!
リッチなパンとは粉、イースト、塩、水等の基本的な食材に加え、砂糖、卵、牛乳などの副材料を入れて生地を作るパンの呼称です。
 お菓子パンや総菜パンは、片手で食べられるメリットもありますが、携帯やPC等を見ながら、気が付いた食べ終わっていることもありませんか? 短い時間で食べやすい分、「あっという間にカロリーを摂取していた! 」ということも!

1個あたり(kcal順) 熱量
(kcal)
炭水化物
(g)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
食塩相当量
(g)
コッペパン
(つぶあん&マーガリン)
508kcal 69.1g 11.3g 20.7g 1.0g
チョコデニッシュ 439kcal 60.3g 7.9g 18.5g 1.0g
メロンパン 401kcal 63.7g 8.0g 12.7g 0.5g 
カレーパン 391kcal 35.9g 8.4g 23.8g 1.4g
あんぱん 359kcal 72.0g 9.9g 3.5g 0.5g
ピザパン 337kcal 48.3g 9.4g 11.8g 1.7g
クリームパン 322kcal 47.8g 9.0g 10.5g 0.5g
クロワッサン 191kcal 18.6g 3.5g 11g 0.4g


 菓子パンはプレーンなパンと比較するとカロリーが高い傾向にありますね。
 ショートケーキが1個311kcalなので、メロンパンやチョコデニッシュなどの菓子パンは主食というよりもスイーツに近いカロリーになっています。パン1つで食事を済ませる場合、なかなか満足できないからと2個目を買ってしまいますが、選ぶ際はリーンなパンを選んでカロリーを抑えることもおすすめします。

 

目的別のパンの選び方

 総菜パンや菓子パンのカロリーは高いことが分かりましたが、パンの主成分に注目することで、食べた後の腹持ちをよくするパンもあります。今回はダイエット、便秘、美容、離乳食等、様々な目的に合わせておすすめのパンを紹介します!

 

ダイエット、腹持ちを意識するなら「ベーグル」

 クリーム系、パイ系のパンはバターや脂質が多く、小さなパンでもカロリーを摂取しやすいため、シンプルなパンほどカロリーが低かったりします。しかし、バターロールやブリオッシュといったシンプルなパンでもバターや卵を多く使うことも…!

 そこで、ダイエットしている方にはむっちりとした触感で、食べ応えもある「ベーグル」がおすすめです。ベーグルは噛み応えがあるため、食事時間もゆっくりになり、早食いを防ぐことができます。
 また材料は小麦粉と水がメインなので、バター、卵の使用がほとんどなく、脂質の量を抑えています。ベーグルを選択するときはプレーンやドライフルーツが入ったものなど、なるべく脂質が少ないものを選ぶことがおすすめです。

ダイエットでファスティングが気になっている方はこちらから!編集部3名の実践話が載っています。

 

便秘が気になる方には「ライ麦や全粒粉入りパン」

 全粒粉は小麦の外の皮を剥かずにそのまま挽いたものです。小麦の粒を覆う外皮のふすまや胚芽(はいが)にはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、便秘が気になる方にもおすすめの原料になっています。

 1枚あたり(全て6枚切り) 食物繊維(g)
ライ麦入り食パン 2.2g
全粒粉入り食パン 3.3g
くるみ入り食パン 1.7g

(※3)

「ふすま、ブラン、全粒粉、胚芽」とは?

 シリアルやパンの成分で時折見かける「ふすま、小麦ふすま、ふすま粉、ブラン、小麦ブラン」などは、実は全て同じ部分を表していることはご存知ですか? ふすまとは小麦粒の表皮の部分です。小麦の粒の画像を見ながら確認していきましょう!

全粒粉…ふすま、胚乳、胚芽を全て含めて粉にしたもの。糖質が少ない
ふすま…小麦粉になる前の胚乳の表皮の部分。
     ふすまはミネラル(鉄、マグネシウム、亜鉛等)を豊富に含んでいる。
     全粒粉よりも糖質が少ない
小麦粉…表皮、胚芽を除いた胚乳の部分。糖質が多い

 小麦粒の粉にする部分の違いで糖質や栄養素種類や量が大きく異なっていますね。

 

肌のハリを意識するなら「低糖質パン」

 肌は「糖化」することでハリが失われる話は知ってますか?
 糖化とは、食事から摂った炭水化物が体内で使われずに余ってしまい、体内のたんぱく質と結びつくことで、肌のタンパク質が固くなることでハリが失われる現象のことです。

 糖質は、炭水化物から食物繊維を除いた成分です。低糖質のパンを選ぶ際も、食物繊維が豊富なものや、野菜などが合わせて摂れるサンドイッチになっているものを選ぶことをお勧めします。

 1枚あたり 糖質(g)
 低糖質食パン 6.3g
低糖質あんぱん 27.1g
 あんぱん 37.8g
低糖質クリームパン 18.6g
 クリームパン 32g


 低糖質パンは小麦ふすま(ブラン)を多く使うことが多く、小麦粉と比較して、糖質を抑えることができます。低糖質は血糖値を意識するだけでなく、美容面を意識する方にもおすすめです。

 美容面やエイジングケアを行いたい方は「抗酸化作用」に大きく影響するビタミンの理解も深めていってくださいね。

エイジングケアに欠かせない「抗酸化作用」ビタミンの基本を紹介

 

離乳食には「食パン」

 離乳食が始まる生後5か月頃が多く、離乳食初期(5~6か月頃)はパン粥がおすすめです。
 パン粥はパンの耳を落とし、細かくちぎったあとにお湯でといた大匙3の粉ミルクを入れ、600w1分で加熱し、すりつぶして完全なペースト状にして完成します。

 小麦や卵アレルギーの可能性も考慮して、初めての食材は病院で診察を行っている時間帯にあげることや、始めてあげる場合はごく少量(耳かき一杯分)から与えることが大切です。離乳食中期(7~8か月頃)にはツナ等の具材をいれたり、粗くつぶして嚥下(えんげ)状態を見ながら作ってみてくださいね。

まとめ

 健康目的に合わせたパン選びの参考にはなりましたか? パン選びには主成分はもちろん、トッピングによってもカロリーや糖質、脂質の量は大きく異なります。下記の選び方を参考に自分にあったパン選びができるように意識してみましょう!

・ダイエットを意識するならドイツパン
・腹持ちを意識するならフランスパン
・便秘には「食物繊維が多く摂れるお総菜パン、サンドイッチ」
・美容を意識するなら
・離乳食には食パン

  今の自分の健康状態やなりたい状態、自分だけでなく家族の健康も考慮してパンの選択もしてみてくださいね。他にもこちらの記事ではパンを使ったレシピも紹介しています。主食に悩んだ時にピッタリの内容ですので、参考にしてみてくださいね。

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